研究課題/領域番号 |
24592170
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
和田 司 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (00275570)
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研究分担者 |
菅原 淳 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90445114)
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キーワード | 脳神経外科 / 術中モニタリング / 眼球運動 |
研究概要 |
同意が得られた臨床症例に対し、無侵襲型眼球運動モニタリングを行った。症例は聴神経腫瘍に対する開頭頭蓋内腫瘍摘出術を施行した2例であった。装着は簡便に行われ、モニタリング装置装着に伴う有害事象は認められなかった。 全例で手術中に、患側の外転神経を確認でき、外転神経に対する電気刺激が行われた。外転神経刺激に伴う有害事象は認められなかった。 術中の外転神経に対する電気刺激により、患側と健側のモニター上の波形に有意な差は得られなかった。そこで、ベースライン上のノイズの影響と考え患側と健側の差分を計算したが、患側での有意なモニタリング反応を得られなかった。 ここで、術中に通常の手術手技として行う、患側顔面神経に対する電気刺激時のモニタリング反応を検討したところ、患側と、健側のモニター上の波形には有意な差は認められないモノの、患側と健側の差分において、電気刺激時に有意な反応が得られた。これは、顔面神経刺激時に生じる患側の眼輪筋の収縮反応の結果と考えられた。 従って現時点で、本モニタリング装置により、術中の外転神経刺激により生じる眼球運動を眼瞼上の圧変化として捕らえることには成功していない。しかしながら、眼輪筋の収縮反応を捕らえていることからモニタリング装置の動作には問題ないものと考えている。 平成26年度は、症例を重ねることにより、眼瞼に対するセンサーの圧着、モニタリングの感度などを調節し、本モニタリング装置の有用性を証明する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床症例に対し、本モニタリングを施行した。 本モニタリング施行による、有害事象は認められなかった。 術中の神経に対する電気刺激についても問題は認められなかった。 モニタリング装置の動作に問題はないと考えられた。 術中の神経刺激により予想したモニタリングの反応が得られず、センサーの装着、モニターの感度にさらなる調節が必要であると考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
さらに臨床症例に対する、モニタリングを施行する。 センサーの眼瞼上への装着にさらに調節を加える。 モニター感度の調節を加える。 得られたモニター結果の解析方法について検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究ではモニタリング装置の作成を外部((株)マーフィーシステムズ)に外部委託しており、本年度予定していた装置作成にかかる費用が、予定より少額であった。 今後、装置調整にさらに使用を予定している研究費があり、また、得られたデータ解析のための打ち合わせなどの旅費に使用予定である。
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