本研究では、申請者らが実施している悪性脳腫瘍新生血管を治療標的としたペプチドワクチン療法臨床試験被験者検体を用いて、①血管新生抑制療法に対する反応性および抵抗性を示す腫瘍血管新生・浸潤性関連因子バイオマーカーや、②抗腫瘍免疫ネットワークにおける正と負の調節細胞や分子について解析し、同治療の臨床的有効性との関連性を評価した。同ワクチン療法による臨床的有効性を認めた患者検体では、ワクチン療法後にVEGFR発現細胞反応性細胞傷害性T細胞の高頻度検出、および血清中のsVEGFR2値の低下を認めており、これらは同ワクチン療法バイオマーカーとして治療効果評価や治療反応性予測に応用しうると考えられた。
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