研究課題/領域番号 |
24592173
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菅野 秀宣 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90265992)
|
研究分担者 |
中島 円 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50317450)
新井 一 順天堂大学, 医学部, 教授 (70167229)
西村 欣也 順天堂大学, 医学部, 教授 (80164581)
|
キーワード | 海馬 / 神経新生 / てんかん / SV2A / パッチクランプ / Levetiracetam |
研究概要 |
【目的】近年の研究より、Synaptic vesicle protein 2A (SV2A)とてんかん原性獲得との関連が注目されている。一方、海馬歯状回で生じル神経細胞新生もてんかんの伝院になる得ると考えられる。そこで、本研究では初回発作後にSV2Aを安定させ、幼弱な神経細胞の新生を抑制することが、てんかんお予防治療になり得るかについて検討を行う。 【方法】C57/BLマウスにピロカルピン腹注によりてんかん発作を誘発し48時間後に、レトロウィルスによりgreen fluorescent protein (GFP)を海馬に導入し、てんかんによって誘発された新生細胞をGFPで可視化した。てんかん重積後7日、14日、28日に免疫染色を行い、新生神経細胞の成熟度とグリア細胞の出現を観察する。てんかん重積発作後にlevetiracetam (LEV; SV2Aと結合する抗てんかん薬)を追加投与した群を作成し、従来通りdiazepamを用いた群と比較する。 【結果】diazepamを用いた対照群では海馬での細胞新生が増加したが、LEV群を連続投与した群では新生が結いに抑制されていた。また新生細胞の形態も対照群では特記の伸展が不規則で抱こうしているのに対し、LEV群では非発作群と同様であった。まあ、海馬回門では幼弱なオリゴデンドロサイトの前駆細胞マーカーえあるNG2に陽性になる細胞が新生されていたが、LEV投与により同細胞の出現も抑制されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SV2Aのウェスタンブロティングを予定していたが、達成されていない。 出現したオリゴデンドロサイト様の細胞よりパッチクランプを試みたが、技術的に困難であり、再検討を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
海馬歯状回の神経細胞とオリゴデンドロサイト様新生細胞はLEVの投与により抑制される事が観察できた。これらの細胞が電気生理学的に通常の新生細胞と比較して差異をもつか、それらがてんかん原性になり得る異常興奮発火をしているかを観察する。具体的には、マウスの海馬に電極を留置し、本実験系通りのてんかん発作を誘発する。投与する薬剤により脳波所見に差が出るかを比較する。また、神経最奥の興奮を観察するためにfield patch clampにより海馬の電位を計測する。
|