研究課題/領域番号 |
24592176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 隆充 日本大学, 医学部, 教授 (50158284)
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研究分担者 |
大島 秀規 日本大学, 医学部, 准教授 (20328735)
小林 一太 日本大学, 医学部, 助教 (20366579)
深谷 親 日本大学, 医学部, 准教授 (50287637)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | spinal cord stimulation / poststroke pain / motor weakness |
研究概要 |
脳卒中後疼痛症例に対してdrug-challenge test(DCT)を行い、Dual-lead SCSを施行した。2本の電極を平行に脊髄硬膜外に留置することによって縦方向のみならず横方向の刺激が可能となった。また、複数の刺激点を選択することによって疼痛部位に限局したparesthesiaを誘発するのが容易となった。1本で8極の電極を用いると、頚髄の上位から下位をカバーすることが可能で、電極の留置方法によって上肢、下肢、体幹に加えて顔面を含む広範囲に脊髄刺激によるparesthesiaを誘発することができる。このため、顔面を含む半身全体に疼痛を認めることの多い脳卒中後疼痛症例においても有効であることを確認した。 DCTの結果にもとづく薬物の併用療法は脊髄刺激の効果を高めることができた。さらにlow-dose ketamine点滴療法を併用することによって、多くの症例で十分に満足できる結果が得られた。 頚髄レベルで5Hzの刺激を行なうと、上肢のmuscle twitchを誘発することが可能で、刺激中にはFugl-Meyer Scaleが改善し、運動のスピードも改善することを3例で確認した。また、脳卒中モデルラットに対する慢性植込みによる脊髄刺激を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまで脳卒中後疼痛に対する脊髄刺激の有効性は高くないと考えられてきたが、新たな8極電極を2本用いたDual-lead SCSを行なうと、顔、上肢、体幹、下肢と広範囲にわたってparesthesiaを誘発することができることが明らかとなった。また、DCTに基づく低用量ケタミン点滴療法を併用することによって、除痛効果を高めることができることが明らかとなった。さらに、上肢のmuscle twitchを誘発するこができる5-Hzの脊髄刺激を行うことによって、運動機能の回復することが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中後疼痛症例に対して、DCTに基づくDual-lead SCSの方法を確立する。また、運動麻痺を合併している症例においては上肢のmuscle twitchを誘発することができる5-Hzの脊髄刺激を継続し、客観的に上肢のmuscle twitchを誘発することの意義を明らかにする。また、ラットを用いた慢性脊髄刺激を行い、脊髄刺激群と非刺激群の比較を行い、脊髄刺激の効果を実験的にも検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品として実験動物、免疫組織用の抗体などの購入に加え、学会での研究成果発表と討論のために使用する予定。
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