研究課題/領域番号 |
24592177
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
森田 明夫 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60302725)
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研究分担者 |
杉田 直彦 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372406)
原田 香奈子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80409672)
光石 衛 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90183110)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脳神経外科 / 微小外科手術 / 技術評価 / ロボティクス / ナビゲーション / 力センサー / 加速度 |
研究概要 |
直径1mm以下の血管吻合には極めて高度な技術と熟練を要する.脳神経外科や形成外科では,このような極細径の血管の吻合が術後の機能回復の程度に影響を及ぼすことが知られており,超微細手術を対象とした手術手技評価・熟練度評価手法の開発が望まれている.現状の手術教育は,手術現場におけるオンサイトトレーニングによるものがほとんどで,熟練医師の手技を見よう見まねで学ぶことが多い. 一方で,腹腔鏡手術では,手技の評価用あるいはトレーニング用のシミュレータが普及しており,非熟練医師は具体的な指標を基に手技を改善することができる.超微細手術においても高度技能医の養成を支援する技術の開発が望まれている. そこで本研究では工学系のセンサー技術を用いて微小外科手技を評価する方法を開発している。本年はセンサーを装着した手術用具を用いて様々な脳神経外科手術モデルを用いて手技の検証をした。 マイクロ鑷子や鉗子に力センサーと位置同定ナビゲーションシステムおよび加速度測定装置を装着し被検者(脳神経外科熟練、および初心者)による操作を記録し、差が検証できるかを検討した。熟練脳神経外科医では特に左手の力の入れ方がスムーズであり、リズミカルであること、また手術道具の動作範囲が小さいこと、無駄な範囲外にでる動作が少ないこと等がこの評価システムで検証できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機器の開発、装置の装着等をおこなっており、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後システムとして脳神経外科、微小外科手術の評価が比較的容易に実行できるシステムを開発し、数カ所の施設で同機器をもちいた評価を行い、技術評価の客観性を検証し、技術評価システムを確立する。 具体的にはH24年度に選定したセンサ類,特定したパラメータのみを使用して,熟練度評価システムを構築する.より簡便かつ迅速に測定と解析を行うことができるように,作業のフローを確立する.また一部の解析の半自動化を行い,測定から熟練度評価までを10分以内で完了することを目標とする.システムが構築された後に,新たに医師に吻合実験を行ってもらい,システムの有用性を評価する. さらに熟練要素に基づくトレーニングシステムの開発 抽出した熟練要素(例えば,刺入時の角度,刺入位置の間隔,結紮時の発生力)のみを繰り返し練習できるトレーニングキットを開発する.医師が容易に練習できるように,小型,安価で,持ち運びが可能なシステムを開発する. そのようなシステムを用いていくつかの施設で検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実機の制作および実験に必要なモデル、人工血管、および必要ならば実験動物の購入。機器の異動の運搬費用と旅費が必要となる。および学術集会で成果の発表を行う。
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