研究課題
IMRTを用いた寡分割大線量照射後の放射線脳障害のリスク評価として119例の神経膠芽腫を対象に、同治療施行後の放射線壊死出現と患者PS低下の相関を検証し、放射線壊死を回避することが患者PSの維持に繋がることを見いだした。MGMTは放射線壊死のリスク因子と考えられているが、従来行われてきたメチル化特異的PCR法に比較し、Pyrosequencig を用いた評価の法が優れていることをまず見いだした。一方、66例の神経膠芽腫を対象にcDNA array を用いた解析を行い、放射線壊死発生との関連が疑われる15分子を同定した。さらに、21例の神経膠芽腫を対象に次世代シーケンサーを用いた変異解析を行った。その結果、DNA関連遺伝子の変異陽性例では放射線壊死の発生が多いことが判明したが(p=0.027)、シグナル伝達・細胞周期・細胞浸潤などに寛容する遺伝子と壊死との相関は認めなかった。一方、これら、cDNA array・次世代シーケンサーによる放射線脳障害の発生に関与する分子の抽出に平行して、MGMTメチル化の有無によって照射線量を変更するテーラーメイド治療を施行。MGMT非メチル化例では 68Gy/8、メチル化例では 48Gy/8 として治療を開始。メチル化例23例で減量した照射線量での治療を行った。その結果、メチル化例で 68Gy/8 照射を行った症例に比較して有意に放射線壊死までの期間が延長(14.5ヶ月、24.8ヶ月、p=0.040)したが、局所制御には差が無く(p=0.880)、生存期間にも差を認めなかった(p=0.725)。
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