研究課題/領域番号 |
24592181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
金村 米博 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 先進医療研究開発部 再生医療研究室, 室長 (80344175)
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研究分担者 |
正札 智子 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), 先進医療研究開発部 幹細胞医療研究室, 室長 (40450895)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 癌 / 細胞・組織 / 脳神経疾患 / 発生・分化 / 薬剤反応性 |
研究概要 |
1.長期培養可能な腫瘍細胞凝集塊(LC-TS)の基本特性解析および長期培養における細胞特性変化の検討 膠芽腫患者由来腫瘍組織から無血清培地を用いたneurosphere法を使用して培養細胞樹立を実施し、樹立済細胞株も含めて、7継代以上の長期継代が可能であったLC-TSを合計7株、数継代以内に維持培養が困難となった腫瘍細胞凝集塊(SC-TS)を合計21株、それぞれ準備することに成功した。これら総数28細胞株を解析対象として、primary neurosphere(全28細胞株)と7継代以上培養した時点のLC-TS(7株)のそれぞれからRNAを作成し、マイクロアレイ解析(Affymetrix)および定量的RT-PCR 解析に着手すると同時に、1%FBSを用いた分化誘導アッセイを行い、各neurosphereの細胞分化能の評価を実施した。また、LC-TSに関しては、ATP アッセイを用いた細胞倍加速度の評価を実施した。 2.LC-TS 形成細胞集団の特性解析とLC-TC 中に存在するGSC のマーカー分子同定 各細胞株の樹立に使用した腫瘍組織、primary neurosphere、およびLC-TS(7株)のそれぞれからDNAを抽出し、MGMTプロモータメチル化定量解析、遺伝子配列解析(IDH1/IDH2,TP53)を各々実施した。その結果、LC-TSとSC-TSに関しては、その由来となる腫瘍組織におけるMGMTプロモータメチル化率および遺伝子配列に差異が認められ、これら分子特性がLC-TS樹立に関与するマーカーの1つになり得る可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は解析対象となる腫瘍細胞株の準備とそれに由来する各種試料の作成実施を最大目標に研究を実施したが、LC-TSを合計7株、SC-TSを合計21株、各々準備することに成功し、今後の解析を本格的に実施するための準備が十分整ったと判断する。また、LC-TSの樹立と関連性を有する可能性が示唆される分子マーカーの候補が同定され、次年度以降の研究の方向性が明らかとなった。総括すると初年度の進捗としては、おおむね順調に研究は進展したと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
初年度、本研究の実施に必要な腫瘍細胞株の樹立とそれに由来する各種資料作製に目途が立ったため、次年度以降はこれら試料を最大限利用して、当初目的であるLC-TSの生物学的意義とGSC の生存・増殖・未分化性維持に関わるin vitro ニッチの解明を本格的に実施していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度経費の中で259,213円の未使用分があり、これを次年度に繰り越し、25年度は合せて1,859,213円を消耗品費を中心に使用して、研究を実施する予定である。
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