研究課題/領域番号 |
24592185
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大鳥 精司 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40361430)
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研究分担者 |
高橋 和久 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20179477)
井上 玄 北里大学, 医学部, 講師 (80594209)
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キーワード | 腰痛 / 関節痛 |
研究概要 |
新たな薬物治療(遺伝子治療を含む)の開発1) サイトカイン阻害する因子(NFkBデコイ、IKKB阻害剤)近年その疼痛伝達の主要なサイトカインとしてインターロイキンや腫瘍壊死因子(TNF-α)が挙げられてきた。しかし、一つの因子を抑制しても、十分な除痛が得られない。そこで今回RNAレベルでこれらすべてのサイトカインの上流に位置する転写因子nuclear factor kappa B decoy 、IKKB阻害剤を用いて抑制し、in vivo, in vitroにて検討を行った。その結果有意なる疼痛効果をラットで証明した。2) ヒト臨床試験:脊椎固定術に対する多血小板血漿(PRP)使用による骨癒合、除痛の効果臨床試験責任医師の外来を受診した腰椎手術予定で同意を得られた患者で、腰椎すべり症、変性側弯症である。160症例(2群に)に本試験を行い、骨癒合効果、除痛、副作用等の検討を行う非盲検ランダム化試験である。手術後の骨癒合能、臨床成績、血中サイトカインアッセイ、副作用を検討した。前日に自己血400ml採取し、PRPを作成、無菌状態で4度にて保存する。PRP作成時の血球成分は術後戻し輸血とした。骨癒合判定では、インプラント+局所骨群の骨癒合までの期間は平均8.0±1.5ヶ月、インプラント+局所骨+テリパラチド群の骨癒合までの期間は平均5.5±1.5ヶ月、インプラント+局所骨+ PRP群では平均6.2±1.5ヶ月であった。有意にインプラント+局所骨+テリパラチド群、インプラント+局所骨+ PRP群で短縮していた(p<0.05)。インプラント+局所骨+テリパラチド群とインプラント+局所骨+ PRP群では有意差が無かった(p>0.05)。VASによる疼痛の評価では3群に有意差はなかった(p>0.05)。有害事象では、3群共に感染、発熱、臓器機能障害等はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト臨床試験:脊椎固定術に対する多血小板血漿(PRP)使用による骨癒合、除痛の効果についてはすでに試験を終了し、論文作成した為。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト臨床試験:難治性神経根性疼痛に対する抗TNFα、IL6阻害剤(エンブレル、アクテムラ)の神経根ブロックの効果の臨床試験を終了させる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた物品費が既存の物で代用でき,少なく済んだため. ヒト臨床試験:難治性神経根性疼痛に対する抗TNFα、IL6阻害剤(エンブレル、アクテムラ)の神経根ブロックの効果の臨床試験 難治性神経根性疼痛で明らかな神経根圧迫症例の患者を対象とする。インフォームド・コンセントにより同意を得られた患者で、NSIADs無効例である。ステロイド注射とのRCT研究である。除痛効果と、手術回避率の検討である。現在100症例実施済みであり、今後100症例予定である(Ohtori et al., Spine 2011)。その中で,エンブレル、アクテムラを購入する代金として使用する予定である.
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