研究課題/領域番号 |
24592186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
村田 淳 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (20344997)
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研究分担者 |
大河 昭彦 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30312945)
山崎 正志 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50281712)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 坐骨神経結紮モデル / Noggin / アロジニア / Alzet pump / Western blot / BMP4 / くも膜下腔 |
研究概要 |
【目的】今回の研究の目的は坐骨神経結紮によりNoggin 遺伝子が減少することがわかったが、タンパクレベルでの発現はどうか。減少したNoggin をくも膜下腔から投与し、アロディニアの改善が得られるかどうか。正常ラットにNoggin のアンタゴニストであるBMP4を投与することにより、アロディニアを惹起するかどうか。 【方法】Western blot: CCI後2週の時点で腰膨大部からタンパクを抽出。抗体は以下を使用した。正常ラットくも膜下腔へのBMP4投与: 正常ラットL3/4椎間に Alzet Pump (2週間用) を用いてRecombinant mouse BMP4 を投与、1週毎にvon Frey testを行った。 CCIラットくも膜下腔へのNoggin 投与: CCI 2週後、同様にRecombinant mouse Noggin を投与、1週毎にvon Frey testを行った。 【結果】Western blot:pSmad1, Noggin, BMP4について行った。Nogginのタンパクレベルでの減少はなく、BMP4の増加もなかった。 正常ラットくも膜下腔へのBMP4投与:PBS, BMP4投与、いずれもvon Frey testで5.46以上であり、 アロディニアを誘発しなかった。なおCCI1週後のデータは平均4.88であった。 CCIラットくも膜下腔へのNoggin 投与:CCI後2週経過時点でNoggin をAlzet pump(2週用)にいれて、くも膜下腔にチューブを留置した。 Noggin濃度は10nanoから10microgram/mlまでとし、PBSをコントロールとした。 10nano, 2micro, 10microgram/ml でアロディニアの軽減がみられたので、3濃度について、Nを増やして実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、Western blotとNogginタンパク、BMP4タンパクのラットくも膜下腔投与に関しては順調に経過している。免疫染色に関しては、現在組織切片作成中であり、今後抗体を購入し実施する予定です。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究でNogginタンパクをラット坐骨神経結紮モデルのくも膜下腔投与を行い、10nano, 2micro, 10microgram/ml でアロディニアの軽減がみられた。 今後同濃度についてNを増やし、Nogginの最適濃度を決定する。さらにNoggin function blocking antibodyをNogginと一緒にくも膜下腔投与し、アロジニアの軽減がキャンセルされるかどうか検討する。Nogginがアロジニアの改善に効果があるようなら、組織学的検討を加える予定。 Noggin-function blocking antibodyが入手できない場合、坐骨神経結紮から2週後にNogginを投与していたものを、坐骨神経結紮直後よりNogginをAlzet pumpにて注入し、アロジニアの悪化が見られないかどうかを検討する。またその際のフレッシュな脊髄切片を作成し、Western blotにてNogginの増加が得られている、つまり脊髄にNogginが浸透していることを確認する予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度の研究でNogginタンパクをラット坐骨神経結紮モデルのくも膜下腔投与を行い、10nano, 2micro, 10microgram/ml でアロディニアの軽減がみられた。 今後3濃度についてNを増やし、Nogginの最適濃度を決定する。さらにNoggin function blocking antibodyをNogginと一緒にくも膜下腔投与し、アロジニアの軽減がキャンセルされるかどうか検討する。これらの動物実験と試薬費用で50万円の支出を予定している。 Noggin-function blocking antibodyが入手できない場合、坐骨神経結紮直後よりNogginをAlzet pumpにて注入し、アロジニアの悪化が見られないかどうかを検討する。またその際のフレッシュな脊髄切片を作成し、Western blotにてNogginの増加が得られている、つまり脊髄にNogginが浸透していることを確認する予定。これらの費用でおよそ50万円の支出を予定している。 H24年度に未使用額が発生した原因として、上記のNoggin-function blocking antibodyが商業ベースの企業から入手できなかったことがあげられ、H25年度には上記のように投与時期を早めたNogginの投与実験の実験計画を考えている。
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