研究課題/領域番号 |
24592203
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
あべ松 昌彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (70448190)
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研究分担者 |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40423727)
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キーワード | 脊髄損傷 / 再生 |
研究概要 |
我々はこれまでに神経幹細胞移植とヒストン脱アセチル化酵素阻害活性をもつバルプロ酸を併用することで、脊髄損傷に対して高い治療効果を発揮する新規治療法を開発した。しかし、今回我々が開発したこの新規治療法を安全に臨床応用するためには、この治療の作用メカニズムを明らかにするとともに、ヒトに近い霊長類で治療効果を詳細に検討することが必要である。本研究ではまず、カニクイザル脊髄損傷モデルを安定的に作製し、その評価系確立に着手した。この研究ではヒトに近い種である霊長類であり、解剖学的サイズも近似しているカニクイザルを用いて脊髄損傷モデルを作製する必要がある。しかしながら現在、カニクイザル脊髄損傷作製装置は市販されていない。我々はこれまでにウサギ・ラット・マウス脊髄損傷モデルを用いた研究を展開してきたため、その技術を応用し、カニクイザル専用の圧挫損傷モデル作製装置を開発した。その後、パイロット実験として脊髄損傷モデルを作製した。カニクイザルの第10胸椎レベルに後方から正中縦切開し、椎弓を露出させた後、椎弓切除を行い脊髄を露出させた。その後Impactorにて脊髄損傷を作製した。損傷4週間後潅流固定した後に、脊髄を採取し、固定後切片を作成し、HE染色や免疫染色によりグリア瘢痕の形態や脊髄内ニューロンの生存、軸索の評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カニクイザル購入資金不足のため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針として、軽度・中程度・重度の損傷エネルギーでモデルをつくり、その後の下肢運動機能をビデオ撮影するとともに、歩行能力などを客観的に評価して点数化する。その結果から本研究に最適な損傷エネルギーを同定し、一定のエネルギーで損傷を加えたとき、安定した損傷モデルが作製できることを確認する。また、損傷の詳細を評価するために、トレーサーを用いたり電気生理学的手法を用いて評価予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1匹500,000円のカニクイザルを用いた実験を行っており、残余研究費335,817円にて個体を購入できなかったため。 実験動物購入と実験に必用な骨鉗子購入資金および学会旅費として使用予定である。
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