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2014 年度 実績報告書

慢性圧迫性脊髄障害に対するオートファジー亢進薬剤による神経保護作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24592204
研究機関鹿児島大学

研究代表者

田邊 史  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90619199)

研究分担者 小宮 節郎  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
瀬戸口 啓夫  鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40423727)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードiPS細胞 / 脊髄損傷 / オートファジー
研究実績の概要

細胞はヒトiPS細胞から樹立された神経幹細胞AF22を使用した。慢性圧迫では神経細胞は低酸素下にさらされると考えられている。また神経の再生のために移植されるiPS細胞や神経幹細胞も低酸素環境下にさらされるので低酸素1%O2でAF22を培養してオートファジーの解析を行った。1%O2下では20% O2下と比較してオートファジーのマーカーであるLC3-IIの発現が亢進した。またオートファジー活性剤であるLiClの投与で1% O2,20% O2ともにAF22の細胞増殖能が亢進することがWST assayで示された。さらに他のオートファジー亢進剤であるラパマイシンの投与でも同様に1% O2,20% O2ともにAF22の細胞増殖能が亢進することがWST assayで示された。神経幹細胞移植による脊髄の再生のためには移植した細胞を目的に応じた細胞系譜へと誘導する必要がある。低酸素で培養した際のヒトiPS細胞由来AF22の分化能を検討したが20% O2と比較して1% O2では分化能に影響がないことが示された。これらの結果よりオートファジーの活性化は神経細胞の保護に有効であることが示唆された。また神経幹細胞の増殖にもオートファジーの活性化が有効であることが示唆された。また低酸素下で培養してもニューロンへの分化能力には差がないことが示された。一方で申請者らは骨肉腫の細胞株において1% O2下ではオートファジーが亢進していることを見出した。さらにオートファジー活性化に重要な遺伝子であるATG5とATG7をsiRNAでノックダウンすると1% O2下では骨肉腫細胞の増殖が抑制されることが示された。これらの結果は圧迫性神経障害である頸椎症でオートファジーを活性化すると神経損傷の治療に有効であることが示唆されたが、一方でオートファジーの活性化は悪性腫瘍の増殖と浸潤・転移能を亢進させる可能性があるのでさらなる慎重な検討が必要である。

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公開日: 2016-06-01  

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