研究課題/領域番号 |
24592205
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
矢吹 省司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (00260779)
|
研究分担者 |
紺野 愼一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70254018)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 運動器の痛み |
研究概要 |
本研究の目的は、運動器の痛みの客観的な評価方法を確立し、有効な治療法を確立することである。 平成24年度の計画は、痛みのない正常人に対して、1)MR Spectroscopy(MRS)による神経代謝物質の測定、2)歩行解析と重心動揺性検査、10mの歩行に要する時間、Time Up & Go test、3)心理・社会的因子(BS-POP, Pain Catastrophizing Scale)、4)選好に基づくQOL尺度であるEuroQolを評価する予定であった。 MRSは本研究が始まる前に12名の疼痛患者(腰痛や坐骨神経痛を有する患者)と正常者のデータがあったため、その解析を行った。その結果、疼痛患者群では、疼痛側と反対側の視床においてNアセチルアスパラギン酸(NAA)の濃度が正常者群に比して明らかに低下していた。この結果は、論文(Journal id Orthopaedic Science)を投稿して、採用された。歩行解析は、3次元動作分析システムを購入し、股関節痛患者1名と正常者1名で計測できた。股関節痛患者では重心の上下動揺が大きい傾向が見られた。しかし、1例ずつの比較であるため、今後症例を増やして検討する必要がある。治療による変化はまだ計測できていない。すべての評価を前向きに行えているのは2名のみである。 平成24年度は、MRSの解析と3次元動作分析システムの購入を行えたことが主な成果である。痛みの評価にMRSが有用である可能性を示すことができた。今後、疼痛患者と正常者のデータを収集して、客観的な痛みの評価方法を確立し、有効な治療法を確立できるように研究を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1.3次元動作分析システムの納入がH24年12月28日となってしまい、実際に患者に使用するまでに時間を要したため 2.今後計測する疼痛患者と年齢や性をマッチングさせた正常者を選択できなかったため
|
今後の研究の推進方策 |
1.3次元動作分析システムの使用が可能になったので、疼痛患者で計測していく。 2.正常者を、疼痛患者と年齢や性を完全にマッチングさせるのは困難であるため、疼痛患者と性のみマッチングさせ、年齢は±10歳の範囲で選択するようにする。 3.運動療法のみを行った患者だけでは症例が集まらないので、疼痛治療のために手術を行った患者も含めて治療前と治療後の変化を検討するようにする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
申請時の計画では、平成25年度の予算は、疼痛患者への交通費と旅費であった。疼痛患者、正常者ともに集めることができれば、研究費を使用してデータを収集することができる。「今後の研究の推進方法」に記載したような対応を行って症例を集めて有効に研究費を使用する。
|