研究課題
パーキンソン脊柱変形に対する変形矯正固定術の手術後成績に関して、非常に疼痛が改善し、疼痛改善状態が術後2年にわたり持続されることを明らかとした。また、従来パーキンソン脊柱変形手術は、固定上位での更なる急激な変形の悪化、術後インストルメント破綻、術後隣接椎間障害などの合併症が多く、手術は禁忌とする意見もあったが、その原因として従来の報告ではshort fusionからlong fusionまで混在しておりその固定範囲など手術適応が曖昧であったことがあげられる。我々は、パーキンソン脊柱変形患者に対する手術成績を検討し、上位胸椎から仙腸骨まで固定することで、術後2年時インストルメントの破綻症例が皆無であったこと、すなわち、パーキンソン脊柱変形に対する固定術は long fusionを行うことで、手術成績に一定の効果がもたらされることを初めて報告した。さらなる長期成績を検討してゆく必要がある。また、生体力学試験、解剖学的研究においては仙骨前面における仙骨神経、腰神経根とスクリュー刺入位置に関する新たな知見をもたらし、スクリュー刺入位置が適切でないと神経根損傷が生じうる可能性を明らかとした。具体的には仙骨前面を貫通するスクリューが外側方向に触れすぎた場合には第5腰神経根損傷が生じる可能性があることを明らかとした。また、成人脊柱変形手術における腰仙椎固定の成績を明らかとし、さらに、成人脊柱変形手術の低侵襲化をもたらすために、側方固定術の意義と有用性、問題点に関して検討を行い、側方固定術は明らかに出血量が軽減できることを報告した。
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関節外科
巻: 33 ページ: 558-563