現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度、我々は髄核由来の培養細胞に特定の細胞表面マーカーで分離可能な髄核前駆細胞が存在することを解明し論文発表を行った(Nat Commun. 2012)。これに続き、C57BL/6マウスの尾椎線維輪由来の細胞より、細胞表面マーカーで前駆細胞を分離し再生医療への応用を目指す。今年度はマーカー調査のため、i)からiii)を繰り返した。 i.表面マーカーで前駆細胞を識別する。ii. 表面マーカーで前駆細胞を分離する。iii.分離した前駆細胞を三次元培養で増殖、分化させECMを評価する。iv.最終的に、免疫不全マウスへの移植、評価をする。 具体的には、mAF におけるCD24, CD56, CD73, CD90, CD105, CD140a CD146,CD271, NG2及び、STRO-1 の発現を調査した。ソーティングの実施例を以下に示す。 ① CD105 (Endoglin) 及びCD146 (melanoma cell adhesion molecule)の二重染色により培養細胞をソートし4分画を得た。ソーティング後は脂肪への分化能は消失していた。CD146陽性群は三次元で二週間培養後、タイプI及びタイプIIコラーゲン陽性、アグリカン陰性を示し、線維輪特有のECM発現と考えられた。 ②組織より酵素処理直後の細胞を、CD105 及びNG2 (melanoma chondroitin sulfate proteoglycan) によりソートし4分画を得た。いずれも三系統の分化能を示した。CD105+NG2+集団は、三週で4000倍を超える増殖率を示し、メチルセルロース培地に1000個播種すると70個の球状コロニーが観察され、コロニー形成率はソート前の約二倍であり、幹・前駆細胞の存在が期待された。 以上の基礎的データを得られたため、おおむね順調と考えられる。
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