高齢者の骨格筋量を評価し腰椎疾患における筋量増強が運動機能改善の一助となるか検討した。腰痛では四肢筋量の減少が有意に認められ、特に下肢筋量と腰痛の関連が明白であった。多裂筋はサルコペニアで減少せず、腰痛との関連も認めなかった。腰椎後方手術後1年での骨格筋量は四肢では加齢により有意に減少、多裂筋は手術の影響で有意な減少を示したが、体幹筋の変化は腰痛やADL改善に影響を与えておらず、四肢筋量の加齢による減少が腰痛とADL改善に影響していた。腰痛では四肢筋量が減少し、体幹筋減少が発生する以前に出現することが判明し、サルコペニアの予防が腰痛予防に重要であると結論づけた。
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