研究課題/領域番号 |
24592219
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮武 尚央 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (60623155)
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研究分担者 |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
今泉 秀樹 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (70250785)
井樋 栄二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80193465)
保坂 正美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90302124)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | リン酸カルシウム / ゼラチン / 人工骨 / ウサギ |
研究概要 |
人工OCPの合成方法は,第2リン酸カルシウムの加水分解による方法(Brown et al,1962)や、CaおよびPO4の等モル存在下、高温度下(60℃)における滴下法(LeGeros RZ,1985)等がある。研究グループは、独自に高温度下連続合成法(特3115642)や室温合成法を開発している.実験用豚皮由来ゼラチンを用いて前述の条件のOCPと共沈させ,さらに型枠で採型し凍結乾燥させることで様々な形状のOCP-ゼラチン複合体を作製することが可能であった.複合体についてOCP含有比率、電子顕微鏡、X線回折、FTIRを用いた評価を行いOCPの特徴を喪失していない材料であることが分かった.得られた複合体材料を,すでに確立された家兎動物実験モデル(K Suzuki et al, 2012)に埋入し骨形成を評価した.サンプル数4で6mm径の脛骨骨欠損部に複合体を埋入し何も埋入しなかったコントロール群と比較した.埋入後4週で回収し,軟X線撮影とマイクロCTを行った所,作製した骨孔は新生骨が増生し縮小していた.脱灰標本を作製し,ヘマトキシリン・エオジン染色を行って組織学的形態を評価した後,骨形成率を測定すると複合体埋入群に高い有意差がみられた.また,TRAP染色を施行し骨形成に関わる重要な細胞とされる多核巨細胞様細胞の有無を確認すると,埋入群に多くのTRAP陽性細胞を確認できた.これらの研究成果を,2013 /1/26-29に開催された2013 Orthopaedic Research Society Annual Meeting, San Antonio, Texasにて報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作製したOCP-ゼラチン複合体の材料はすでに評価が終わっており,実際に動物へ複合体を埋入し骨形成が成されることを確認した.複合体は骨形成を生ずる材料であり,動物実験モデルも骨形成を評価することが可能であることが証明された.
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今後の研究の推進方策 |
今後、骨形成を評価する時期(タイムポイント)をさらに8週,12週と増やして長期の成績を評価していく.また,材料の比較・対照としてゼラチン単体と既に臨床で使用されている市販のリン酸カルシウムを用いて動物実験を行い評価する.
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験に必要な日本白色家兎,市販されている人工骨,標本を評価するための顕微鏡・カメラ・ソフトウェア,染色に必要な試薬等の購入と,学会での研究発表に必要な旅費などに使用する予定である.
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