研究概要 |
試験片としてSP700: Ti-4.5Al-3V-2Fe-2MoとCNT 0.7 wt%含有SP700を使用した.Metal on metalを想定して ピン(φ2 mm),ディスク(40 x 40mm)の形状で, SP700, CNT-SP700, Co-Cr-Moの3つの組み合わせで摩耗試験を行った. 試験はフリクションプレーヤーを使用した. CNT-SP700の摩耗量はSP700と比較して有意に減少していた. しかし, Co-Cr-Moの結果と比較するとその摩耗量は多かった. UHMWPE (ultrahigh molecular weight polyethylene) on metal摺動部の摩耗特性を評価するために,ピンをUHMWPE,ディスクをCNT-SP700,SP700あるいはCo-Cr-Moにしてピンオンディスク型すべり摩耗試験を行った.ディスクがCNT-SP700,SP700のときのピンの摩耗量には差は確認されなかったが,これらをCo-Cr-Moの結果と比較すると,摩耗量が有意に小さかった(p<0.001). SP700とCNT-SP700のφ14 mm ディスク上で, MC3T3-Eを培養した. 培養後1, 3, 5, 7でAlamar Blue assayを用いて細胞増殖試験を行った. 1日培養後, SEM観察を行った.Image J 1.42qを用いて写真を数値化し,細胞面積とアスペクト比について解析を行った. CNT-SP700とSP700を比較すると,培養1日目には細胞数に差はないが,培養3日目以降ではCNT-SP700で細胞数が有意に多かった.培養1日後のSEM観察の結果では, SP700とCNT-SP700の細胞面積およびアスペクト比に有意な差はなかった.CNT添加によりチタン合金の耐摩耗性と細胞増殖能の向上が確認された.
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