研究課題/領域番号 |
24592222
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武冨 修治 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70570018)
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研究分担者 |
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10361495)
筑田 博隆 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30345219)
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30456107)
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キーワード | Hes1 / Camk2 |
研究概要 |
前年度に検討したAdam17の阻害薬を外科的変形性関節症モデルのマウスの膝関節内に注射し、溶媒のみを注射したコントロールと変形性関節症の進行を比較したところ、阻害薬注射群で変形性関節症の進行が抑制されていることが判明した。さらに、Notchシグナルの下流に存在する転写因子Hes1が基質分解酵素であるAdamts5、Mmp13を誘導することにより軟骨破壊が進行することが判明した。さらに、このHes1はリン酸化酵素であるCamk2と共同してこれらの基質分解酵素を誘導していることも判明した。Adam17同様、酵素であるCamk2はその阻害薬もすでに市販レベルで存在しており、その阻害は可能であると考えている。有望な変形性関節症のkey factorとなる酵素が2つ判明したため、より人体への副作用が少ない酵素の阻害法の選択肢が広がったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度のAdam17のみならず、本来介入には困難を伴う転写因子ではなく、阻害薬がすでに市販レベルで存在しておりかつ変形性関節症の発症に重要であると考えられる酵素Camk2がさらに判明したということから、疾患治療、予防に対して可能性のある有望な因子を発見したということで、本研究が順調に進展しているという根拠足りうる。
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今後の研究の推進方策 |
新たに判明したCamk2に関してはすでに市販薬レベルで阻害剤が存在しているため、関節内投与による変形性関節症発症抑制効果を調べる必要がある。また、Adam17についても関節内注射では有効な結果が得られたが、より侵襲が少ない経口投与などの投与経路についても動物実験レベルで検討する必要があると考え、そちらを行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
おおむね研究が順調に進み、次年度計画のための資金とした。 Camk2に関して、関節内投与による変形性関節症発症抑制効果を調べるために必要な試薬等。 Adam17の投与経路について、動物実験レベルで検討するための費用など。
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