研究成果の概要 |
骨肉腫は肺転移合併例の予後は悪く,新たな治療法が望まれる.Tumor necrosis factor(TNF)-α阻害薬の骨肉腫肺転移抑制効果について検討した. ヒト骨肉腫細胞143Bをマウス脛骨に移植した骨肉腫自然肺転移モデルにTNF-α阻害薬であるInfliximab(IFX)を4週間腹腔内投与したところ,肉眼的・組織学的に肺転移を抑制した. IFX 30μg/ml 以上で143B の運動能抑制および浸潤能抑制が認められたが,細胞増殖抑制効果はなかった. また,IFX添加にてCXCR4,Rhoの蛋白発現が抑制された.IFXは骨肉腫治療の新しい選釈肢の 1 つとなる可能性が示唆された.
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