研究課題/領域番号 |
24592243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
秋山 達 自治医科大学, 医学部, 講師 (40376471)
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研究分担者 |
税田 和夫 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20241995)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 肉腫 / 化学療法 / 色素上皮由来因子 |
研究概要 |
本年度は当研究室の立ち上げにほとんどの時間を費やす形になった。以前のデータからPEDFは破骨細胞の分化・生存・骨吸収能に対して抑制的に働くことは明らかである。またデータの蓄積が既にあるので学会発表と解析自体は進んでいる。しかし、追試や、条件を変えた研究がほとんどできなかった。24年度は当センターでもマウス骨髄細胞を用いて追試する予定であったが、マウスを用いた実験準備中に当年度は終了した。次年度は実施する予定である。当初予定では軟骨肉腫細胞株を用いた腫瘍原生に対するPEDFの影響を検討する予定であった。若干予定を変更し、軟骨肉腫細胞株OUMS27だけでなく、滑膜肉腫細胞株SYO-1、骨肉腫細胞株MG63,SaOS2を使用して既存の治療法に対するPEDFの影響を調べる実験のための準備を開始した。これらの肉腫細胞株に対してアドリアシンを5種類ほどの濃度で作用させ、薬剤耐性細胞株を作成中である。さらに、シスプラチンを使用し、シスプラチンに対する薬剤耐性細胞株も作成予定である。これらの耐性細胞株にPEDFを作用させることでin vitroで薬剤感受性が復活するかどうかを確認することを現在予定している。また、薬剤耐性に腫瘍細胞から分泌された基質成分が大きくかかわっていることが確認された。そのため、基質を破壊するMMPsなどを作用させる研究を検討中である。本年度は軟骨肉腫患者が来院しなかったために細胞株樹立については実施できなかった。今年度も引き続き細胞株樹立に向け準備していく予定である。本年度で研究室の立ち上げは終了したため、来年度は円滑に研究が遂行できるものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当研究室に移ってからかなりの時間を研究室の立ち上げに必要とした。また、動物実験の倫理委員会での承認が予想外に時間がかかったためにマウス実験の実行が遅れた。現時点ではデータを取得するところまでは到達しておらず、ようやく新規実験に取り掛かり始めたところである。ただし、これまでのデータ蓄積や解析途中のデータもあり、研究全体としては進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究室立ち上げがほぼ終了したことから今後の実験はほぼ予定通りに行えるものと思われる。軟骨肉腫患者が思ったよりも少なかったため、今後は細胞株を用いた実験を中心に行ってデータを確実に取得する予定である。マウス実験については当センターの倫理委員会の審査が遅延しがちなので優先順位を下げて行う予定である。最終年度までに論文化可能なデータを取得することを目的として実権を編成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当年度で行う予定であったマウス実験と細胞株を用いた実験を中心に研究費を使用する予定である。機械の購入はほぼ終了したので試薬と細胞株培養に必要な物品の購入が中心となる。マウス実験については当センターでは倫理委員会の審査が遅延気味なので優先順位を下げて行うので、研究費使用配分としては少なくなると思われる。
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