軟骨肉腫は骨原発性悪性腫瘍である。悪性腫瘍の進展には血管新生が必須であり、血管新生阻害因子は抗がん効果を持つ分子標的薬として使用され始めている。さらに、骨環境で腫瘍が進展するためには生体内で唯一骨破壊をおこしうる破骨細胞を誘導することが必須とされる。我々は本研究において生体内で最大の血管新生阻害効果を持つ色素上皮由来因子が軟骨肉腫による破骨細胞誘導活性効果を阻害することを発見した。色素上皮由来因子は既存の分子標的薬が示す副作用が非常に少ない可能性がある上に、軟骨肉腫には有効な化学療法剤がなく、我々の研究によって軟骨肉腫に対する新規化学療法剤になりうる可能性があることが示された。
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