研究課題/領域番号 |
24592245
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
小坂 泰一 東京医科大学, 医学部, 講師 (10328213)
|
研究分担者 |
山本 謙吾 東京医科大学, 医学部, 教授 (10246316)
澤地 恭昇 東京医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (20571152)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | MH7a / RAFs / PLFs / miR-155 / TWIST / POSTN / MMP1 |
研究実績の概要 |
fibroblast-like synoviocytes(mh7a)におけるmiR-155導入効果の検討 [目的]これまで関節リウマチ(RAFs)や人工関節周囲組織(PLFs)のFibroblast-like Synoviocytes におけるプロスタノイド受容体EP4の活性化で変動するmiRNAを検討したところ、IL-1b存在下でのEP4agonist 刺激では、miR-155-5pの減少を認めた。そこでmiR-155のRAにおける役割を明らかにする目的で、fibroblast-like synoviocytes のcell lineであるMH7AにmiR-155( Mature・Match・Preの3type)をそれぞれ導入,RASfとPLFsの活動性に大きく関わるTwist1,POSTN,MMP1の変動を検討した。[方法] コンフルエントの滑膜細胞を無血清条件下にてhas-miRNA155の3type(Mature/Match/Pre)をそれぞれFibroblast-Like Synoviocytes(MH7A)に導入、IL-1b(10 ng/ml)存在・非存在下で24 時間刺激。A群: コントロール群(miRNA-,IL-1b-) B群:miRNA導入群(miRNA+, IL-1b-) C群:IL-1b刺激群(miRNA-, IL-1b+) D群:miRNA導入群/ IL-1b刺激群(miRNA+, IL-1b+) 24時間培養後totalRNAを回収しreal time-PCR 法によりTwist1,POSTN,MMP1のmRNAレベルでの変動をC群/D群、A群/B群で比較した。[結果]1)TWIST1:C群/D群、A群/B群ともMature・Preの2typeの導入でTWIST1は有意に抑制された。2) POSTN :C群/D群、A群/B群ともMature・Match・Preの3typeの導入でPOSTNは抑制され、とくにIL-1b存在下でPre typeでの抑制が目立った。3) MMP1:A群/B群では変化を認めないが、C群/D群でMatch・Preの2typeの導入でMMP1は有意に抑制された。 [考察および結論] miRNA155はこれまでRAFs・PLFsの活動性に関しては促進する可能性が高いと思われていたが今回の検討を見る限りMMP1、Twist1、POSTNともfibroblast-like synoviocytes(mh7a)において活性化因子を抑制するという防御的役割を担っていると考察した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
miRNA155はこれまでRASf・PLFsの活動性に関しては促進する可能性が高いと思われていたが今回の検討を見る限りMMP1、Twist1、POSTNともfibroblast-like synoviocytes(mh7a)において活性化因子を抑制するという防御的役割を担っていることが明らかとなった。EP4受容体の刺激が、関節リウマチ(RAFs)や人工関節周囲組織(PLFs)の MMMP1・MCP1・IL8など数種の攻撃因子を抑制することを示してきたが、一方EP4の活性化の作用はmiRNA155をおさえることが判明し、EP4agonistを治療に用いる場合のmiRNA155との兼ね合いが重要となってくる。
|
今後の研究の推進方策 |
EP4 agonistとmiRNA155がそれぞれRASf・PLFsの活動性を抑制しうることは明らかになった。しかしEP4 agonistとmiRNA155の相互関係については今後検討の余地が残っていると考える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
fibroblast-like synoviocytes(mh7a)におけるmiR-155導入効果の検討をmRNAレベルで検討した。この結果をふまえたタンパクレベルでの検討を2014年度3月より開始しており、予定の因子の検討に端数が生じたため次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
上記の検討の継続、および最終的な統計処理、学会発表、および論文の作成に、使用する予定である。
|