研究課題/領域番号 |
24592247
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
寺田 信行 兵庫医科大学, 医学部, 名誉教授 (50150339)
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研究分担者 |
中正 恵二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00217712)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
山田 直子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
秦 正樹 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (10446057)
大山 秀樹 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90280685)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 骨肉腫 / 薬剤耐性 / 非ステロイド系抗炎症剤 |
研究実績の概要 |
我々は、histone diacetylase (HDAC) inhibitorの一つであるバルプロ酸(VPA)がヒト骨肉腫細胞の細胞増殖を抑制し、更にその細胞傷害性免疫細胞の感受性を亢進させること、またDNA methylation (DNAM) inhibitorの一つであるHydralazinがHDAC inhibitorによる細胞傷害性免疫細胞の感受性亢進作用を増強させることを明らかにし、骨肉腫に対する免疫療法の効果増強にHDAC inhibitorやDNAM inhibitorが有用であることを示した。しかしこれらの薬剤は、薬剤排出能をもつトランスポーターのMDR-1やMRP-1の発現を増加させ、がん細胞の抗がん剤耐性を誘導する。そこで本研究は、非ステロイド性消炎・鎮痛薬であり抗がん作用をもつcelecoxib (cyclooxygenase-2 inhibitor)がHDAC inhibitor, DNAM inhibitorによる細胞障害性免疫細胞感受性亢進作用に影響を及ぼさずにMDR-1やMRP-1の誘導を抑制することができるかを検討することを目的とした。 ヒト骨肉腫細胞としてHOS, U-2 OS, SaOS-2の3株を使用し、HDAC inhibitorとしてVPA、トリコスタチンA (TSA)、Romidepsin (FK228)を用いた。各細胞の多剤耐性活性を調べるため、多剤耐性アッセイキットを用いて薬剤処置した細胞をフローサイトメーターで解析した。その結果、どの細胞もHDAC inhibitorによりわずかに多剤耐性をもつことが分かった。またcelecoxibの存在下ではHDAC inhibitorの種類によらず多剤耐性活性が抑制されていた。一方Hydralazin存在下では多剤耐性活性への抑制効果はわずかであることが分かった。
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