研究課題/領域番号 |
24592249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 公益財団法人先端医療振興財団 |
研究代表者 |
池口 良輔 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (80437201)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 移植 / 再生 / 間葉系幹細胞 / 複合組織移植 / 免疫 |
研究概要 |
1.実験の対象:オスLEWISラットをレシピエントとしMHCの異なるラットをドナーとして用い、実験を行った。 2.間葉系幹細胞の分離、培養、準備:Aziziらの方法に従って、レシピエントの間葉系幹細胞の分離培養した(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1998)。3.移植手術:Doiらの方法に従って、ラット下肢移植手術を行った(Plast Reconstr Surg 1979)。4.免疫抑制療法及び実験群:術直後から毎日タクロリムス(FK506)0.2mg/kgを筋肉内注射し、術後6日目まで計7回投与した。分離培養したレシピエント骨髄間葉系幹細胞10x106個を術後7日目にペニス背側の静脈から静脈内投与すした。コントロール群として、タクロリムスのみの投与群と全く免疫抑制剤を投与しないno treatment群とisograft群を作成した。5.拒絶反応評価:移植した下肢を24時間ごとに観察し、生存期間を記録した。 6.結果:生存期間はisograft群が50日以上、no treatment群が平均約10日間、タクロリムスのみの投与群が平均約18日間、レシピエント骨髄間葉系幹細胞も投与した群が平均約24日間であった。統計学的には一部有意差が認められた。生存期間に対して間葉系幹細胞投与の有用性が確認でき、レシピエント間葉系幹細胞の投与により拒絶反応をある程度抑制できることが示唆された。平成25年度は各群のn数を若干数増やし、免疫学的に検討する予定である。 7.データの検討と議論:1週間に1度、火曜日夕方に2時間のMeetingを行った。その中でデータの検討、実験についての議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の実験結果では統計学的有意差が認められており、本年度はn数を増やすことにより、されなる実験データの収集が見込めるため。
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今後の研究の推進方策 |
1.実験の対象:オスLEWISラットをレシピエントとしMHCの異なるラットをドナーとして用い、実験を行う。2.間葉系幹細胞の分離、培養、準備:Aziziらの方法に従って、レシピエント間葉系幹細胞の分離培養を行う(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1998)。3.移植手術:Doiらの方法に従って、ラット下肢移植手術を行った(Plast Reconstr Surg 1979)。 4.免疫抑制療法及び実験群:n数を増やす。術直後から毎日タクロリムス(FK506)0.2mg/kgを筋肉内注射し、術後6日目まで計7回投与した。分離培養した骨髄間葉系幹細胞10x106個を術後7日目にペニス背側の静脈から静脈内投与すした。コントロール群として、タクロリムスのみの投与群と全く免疫抑制剤を投与しないno treatment群とisograft群を作成する。5.拒絶反応評価:移植した下肢を24時間ごとに観察し、生存期間を記録する。 6.方針:平成24年度の実験結果では、各群間に統計学的には一部有意差が認められた。生存期間に対して間葉系幹細胞投与の有用性が確認でき、間葉系幹細胞の投与により拒絶反応をある程度抑制できることが示唆された。平成25年度は各群のn数を若干数増やし、免疫学的に検討する予定である。また、以下の評価方法を追加する。1)皮膚、筋肉、骨、軟骨、のそれぞれの組織の拒絶反応の程度を組織形態学的に明らかにする。3)移植後レシピエントの血清を用いELISA法にて間葉系幹細胞による拒絶反応抑制の程度を明らかにする。2)Mixed lymphocyte reactionを用いてレシピエント内のT細胞に対する間葉系幹細胞投与の有用性を比較検討し明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
ラット、麻酔薬、鎮痛薬、鑷子ハサミなどの手術機器、縫合糸などの手術時の消耗品を購入の予定です。
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