研究課題/領域番号 |
24592252
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高木 理彰 山形大学, 医学部, 教授 (40241707)
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研究分担者 |
佐々木 幹 山形大学, 医学部, 准教授 (00444034)
高窪 祐弥 山形大学, 医学部, 助教 (80431641)
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キーワード | 感染性人工関節 / Toll-like receptor / NOD-like receptor / osteolysis |
研究概要 |
手術時に得られた、感染性(10例)及び非感染性弛緩人関節周囲組織(14例)、変形性股関節症(10例)及び関節リウマチ(10例)由来滑膜組織を用いて、病理・免疫組織学的検討を行いました。検討の詳細はパラフィン包埋切片及び凍結組織切片を用いてHE染色による細胞形態評価と免疫組織染色によるマクロファージと好中球の同定を行い対象組織における細胞分布を明らかにしました。また蛍光二重染色法を用いてマクロファージと好中球における自然免疫受容体TLRs及びNLRs, これら受容体の関連アダプター分子, 催炎性サイトカインの共局在の発現様式について明らかにしました。以上につきましては第28回日本整形外科学会基礎学術集会(2013年10月幕張)並びに第58回日本リウマチ学会総会・学術集会(2014年4月品川)で報告しています。 またマウス骨髄細胞由来マクロファージ並びにマクロファージ細胞株RAW264.7を用いて、エンドトキシン付着Ti粒子による刺激・貪食時にTLR及びNLR反応系の分子動態に与える影響について検討を行いました。エンドトキシンにはインプラント感染症の原因菌の中で最大の割合をしめるグラム陽性球菌の細胞膜蛋白であるlipoteichoic acid (LTA) を用いました。 刺激試験をおこなった細胞での自然免疫受容体 TLR1, TLR2, TLR6, NLRP3, について mRNA 発現様式, 骨溶解を誘導する催炎性サイトカイン TNF-alpha, IL-1beta の mRNA 発現様式について明らかにしました。以上の詳細につきましては前述の2学会に加えて、2014 ORS Annual Meeting (2014年3月New Orleans, LA) で報告しております。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス骨髄細胞由来マクロファージ並びにマクロファージ細胞株RAW264.7を用いた、エンドトキシン付着Ti粒子による刺激・貪食試験を行っていますが、 刺激試験をおこなった細胞での自然免疫受容体 TLR1, TLR2, TLR6, NLRP3, 及び骨溶解を誘導する催炎性サイトカイン TNF-alpha, IL-1beta のタンパク発現様式についてWestern blottingでの解析を行っています。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度はRNA干渉法によるTLR2及びNLRP3をknockdownした細胞や、TLR2 knockout mouseから得られた骨髄細胞由来マクロファージを用いて刺激試験を行います。これらの刺激試験で得られたデータを、H25年度に行ったマウス骨髄細胞由来マクロファージ並びにマクロファージ細胞株RAW264.7を用いた、エンドトキシン付着Ti粒子による刺激・貪食試験の解析結果と比較検討し、チタン貪食マクロファージにおけるTLR2及びNLRP3分子の機能解析を行います。
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次年度の研究費の使用計画 |
その他の購入物品として、ノートなど文房具等予定されていましたが、購入に至らず、残金が生じました。 次年度予算に計上し、その他の項目文房具購入に使用します。
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