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2012 年度 実施状況報告書

長寿遺伝子による骨代謝制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592257
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

麻生 義則  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄付講座准教授 (50345279)

研究分担者 辻 邦和  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, GCOE拠点形成特任教員 (20323694)
荻島 創一  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (40447496)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードSirt6 / 骨代謝 / 加齢
研究概要

【目的】Sirt6-/-マウスは、骨量低下、皮下脂肪の菲薄化など、加齢変化と類似した表現型を呈するが、Sirt6の骨軟骨代謝における役割は不明である。本研究の目的は、Sirt6を介する骨軟骨代謝のメカニズムを解明することである。
【方法】Sirt6-/-マウスと野生型マウスを免疫組織学的に評価した。生後1週の長管骨骨端部から採取された初代軟骨細胞、および軟骨細胞様細胞株ATDC5を用いてSirt6の機能評価を行った。
【結果】Sirt6-/-マウスは、四肢長管骨が野生型よりも短縮していた。端部においては、二次骨化中心の成熟が遅延した。生後2週の脛骨成長板軟骨ではSirt6-/-マウスにおいて増殖層と肥大軟骨層が短縮し、増殖マーカーPCNA陽性細胞が著明に減少していた。また一次骨梁の形成は著明に減少していた。TUNEL法ではアポトーシス陽性細胞数に明らかな差は認められなかった。免疫染色では成長板軟骨におけるCol2a1, Col10a1およびIhhの発現がSirt6-/-マウスにおいて低下していた。ATDC5および初代軟骨細胞にてsiRNAによりSirt6をノックダウン(Sirt6KD)すると、CyclinD1とCyclinD2、およびCol2a1, Col10a1, Ihhとその下流遺伝子Gli1, Patchedの発現が低下した。Sirtuin活性を促進するNMNによってCol10a1, Ihhの発現は増加したが、Sirt6KDによってこの効果はブロックされた。またSirt6KDによるCol10a1の発現低下はSmoアゴニストpurmorophamineによって完全にレスキューされた。転写因子ATF4はIhh転写を正に制御するが、初代軟骨細胞を用いたChIP assayの結果、Ihhプロモーターに対するATF4結合はSirt6KDによって抑制された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

軟骨代謝における標的因子の一つ、Indian hedgehogを同定できた。Indian hedgehogは骨芽細胞にも発現して分化制御をおこなうことから、同様のシグナリングが骨代謝にも機能している可能性が示唆される。

今後の研究の推進方策

四肢特異的Sirt6欠損マウスを作成し、骨代謝、軟骨代謝を解析する。また骨芽細胞、破骨細胞におけるSirt6の機能をin vitroの系にて解析する。

次年度の研究費の使用計画

すべて消耗品である。多くはマウスの購入、飼育に使用される。またin vitroの実験のために、試薬、培養用器具などに使用される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Evaluation of the association between runt-related transcription factor 2 expression and intervertebral disk aging in dogs.2012

    • 著者名/発表者名
      Itoh H, Hara Y, Tagawa M, Kato T, Ochi H, Koga D, Okawa A, Asou Y.
    • 雑誌名

      Am J Vet Res

      巻: Oct;73(10):1553-9. ページ: 1553-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Runx2 haploinsufficiency ameliorates the development of ossification of the posterior longitudinal ligament.2012

    • 著者名/発表者名
      Iwasaki M, Piao J, Kimura A, Sato S, Inose H, Ochi H, Asou Y, Shinomiya K, Okawa A, Takeda S.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7(8) ページ: e43372

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0043372.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Procyanidin B3 prevents articular cartilage degeneration and heterotopic cartilage formation in a mouse surgical osteoarthritis model.2012

    • 著者名/発表者名
      Aini H, Ochi H, Iwata M, Okawa A, Koga D, Okazaki M, Sano A, Asou Y.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7(5) ページ: e37728

    • DOI

      doi: 10.1371/journal.pone.0037728

    • 査読あり
  • [学会発表] サーチュイン遺伝子Sirt6による軟骨代謝制御2012

    • 著者名/発表者名
      朴金瑛 辻邦和 越智広樹 森田定雄 古賀大介 大川淳 竹田秀 麻生義則
    • 学会等名
      日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121026-20121027
  • [学会発表] 短期高脂肪食負荷に対するマウス膝関節の初期組織学的反応2012

    • 著者名/発表者名
      Munetaka Iwata, Hiroki Ochi, Yasushi Hara, Daisuke Koga, Masahiro Tagawa, Atsushi Okawa, Yoshinori Asou
    • 学会等名
      日本整形外科学会基礎学術集会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20121026-20121027
  • [学会発表] サーチュイン遺伝子Sirt6による軟骨代謝制御2012

    • 著者名/発表者名
      麻生 義則
    • 学会等名
      東京医科歯科大学第4回硬組織疾患ゲノムセンターセミナー
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120926-20120926
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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