研究課題/領域番号 |
24592263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤田 洋史 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20423288)
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研究分担者 |
大本 苗起子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤研究員 (70598565)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 破骨細胞形成 / 骨髄間葉系幹細胞 / 新規因子 |
研究概要 |
本課題では、炎症性骨破壊における破骨細胞分化を抑制する分子を、骨髄間葉系幹細胞から探索することを目的としている。炎症に関連した新規の破骨細胞分化調節因子を発見する事は学術的な意義はもちろん、関節リウマチや顎骨壊死などの炎症性骨破壊の抑制に繋がる社会的意義を持つと考えている。申請者らは、これまでに骨髄間葉系幹細胞が、破骨細胞の形成を抑制することをマクロファージ培養細胞株を用いて明らかにしている。当該年度では、間葉系幹細胞による破骨細胞形成抑制作用が、マウス骨髄より単離した骨髄細胞の初代培養を元に、破骨細胞形成を炎症性サイトカインTNFαにより誘導できる系を確立した。また、この破骨細胞は、強力な骨吸収活性を持つ事をPitアッセイにより明らかにした。さらにヒト骨髄間葉系幹細胞株は、この破骨細胞形成を抑制する結果をえた。さらに間葉系幹細胞は、マクロファージ系培養細胞株からの破骨細胞形成の抑制に比べ、骨髄細胞初代培養からの形成を強く抑制する作用を持っていた。本研究結果は、本課題の目的を達成する上で重要な基盤となる研究成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨髄間葉系幹細胞が初代培養細胞において破骨細胞形成抑制作用を示せた事は重要な意義をもつと考えており、その点で概ね順調であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ヒト骨髄間葉系幹細胞の培養上清を回収し、カラムクロマトグラフィーにより分離する。そして、分離した精製分画を、当該年度確立したTNFαによる破骨細胞分化系に加えて、分化を抑制する分画を検索する。検索は、ArrayScan High Content Screening systemとTRAP検出蛍光試薬を用いて、ハイスループットスクリーニングを行う。活性分画を質量分析機で解析し、誘導脂質分子を同定する。同定した精製分子を、TNFαによる破骨細胞分化系や、炎症性骨破壊モデル動物に加えて、破骨細胞分化を抑制することを証明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今後の研究に必要な物品の購入に使用する。具体的には、リコンビナントタンパク質などの破骨細胞分化誘導因子、実験動物及び、カラムクロマトグラフィーの精製系の構築である。また、Cellomics ArrrayScan の使用料、LC-MS/MSによる受託解析に使用する予定である。実験の進展を鑑みた結果、保存期間に限りのあるリコンビナントタンパク質を次年度に購入した方がよいと判断し、次年度使用額が生じた。次年度にリコンビナントタンパク質を購入する予定である。
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