研究課題/領域番号 |
24592263
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤田 洋史 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20423288)
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研究分担者 |
大本 苗起子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤研究員 (70598565)
小渕 浩嗣 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (10304297)
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キーワード | 破骨細胞 / 骨髄間葉系幹細胞 / 新規因子 |
研究概要 |
本課題は、炎症性骨破壊における破骨細胞の分化と活性化を抑制する分子を探索することを目的としている。昨年度において私たちは、ヒト骨髄間葉系幹細胞がマウス骨髄マクロファージのTNFαによる破骨細胞分化を有意に抑制することを報告した。本年度は、骨髄間葉系幹細胞による破骨細胞分化抑制の鍵となる分子の同定を試みた。その結果、ヒト骨髄間葉系幹細胞はマクロファージ細胞の量に比して100分の1以下で、破骨細胞形成抑制作用を示すことが明らかとなり、骨髄間葉系幹細胞が抑制分子を分泌している可能性を見いだした。そこで、間葉系幹細胞の培養上清に抑制分子があると仮説を立て、その分子の分離・精製を硫安分画及びQカラムを用いておこなった。ハイスループットスクリーニングシステムArrayScanを用いて、破骨細胞分化必須の転写因子NFATc1の陽性細胞を指標に、破骨細胞分化抑制分画を同定した。その分画をMS解析した結果、破骨細胞分化抑制候補因子が同定された。これらの結果は、本課題の中核をなす成果のひとつであり、炎症性骨破壊における新規の破骨細胞分化抑制因子を明らかにする上で重要な研究成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨髄間葉系幹細胞の培養上清において破骨細胞分化抑制因子の候補因子を同定できたことは、本課題において重要な意義があると考え、その点で概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後同定した候補因子の破骨細胞における作用を確認し、抑制作用があることを明らかにする。そのために、候補因子のリコンビナントタンパク質を取得しその作用を破骨細胞分化系において検証する。さらに候補因子欠損細胞および過剰発現細胞を作成し、その作用を解析する。さらに炎症性骨破壊モデルマウスを作成し、候補因子により抑制可能か解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
使用期限がある培養関連試薬を購入するにあたり、次年度購入した方が新鮮で安定した培養条件が得られると考え、次年度に繰り越す事を決定した。 次年度の培養実験を行う直前に、予定している培養関連試薬を購入し、最良の実験条件を整えることを計画している。また、次年度計画している分化マーカー遺伝子の定量やモデル動物のCT解析及び組織学的解析に助成金を使用することを計画している。
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