本研究では、ヒト軟骨細胞と滑膜細胞においてsiRNAよる特異的な低分子Gタンパクの発現抑制モデルを作成し、軟骨変性と軟骨再生過程における低分子量G蛋白と細胞骨格・接着因子の役割についての解析を行った。低分子量G蛋白の発現抑制は、軟骨特異的遺伝子の発現を亢進させ、炎症性サイトカインであるIL6の発現を抑制するという結果を確認した。特に、Rac1の抑制は、すべての軟骨特異的遺伝子の発現を促進させるため、スタチン同様に、Rac1の機能阻害が軟骨再生促進と軟骨変性抑制の両方の効果を有することが示唆された。
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