臼蓋後捻は変形性股関節症の発生要因になりうる －形態学的および生体力学的検討ー

2012 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 24592268
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 中島 康晴 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10304784)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 変形性股関節症

研究概要

平成24年度にはこれまでの研究をさらに発展させ、DDH例における臼蓋後捻および臼蓋傾斜の形態的特徴をまとめ、Clin Orthop Relat Resに報告した（1）。さらにﾍﾟルテス病においても臼蓋後捻と骨盤形態の特徴およびその両側性について報告した（2）。臨床的にはその治療法について日本股関節学会シンポジウムにて講演を行った（3）。
（1）Fujii M, Nakashima Y, et al. Acetabular Tilt Correlates with Acetabular Version and Coverage in Hip Dysplasia. Clin Orthop Relat Res. 470: 2827-35, 2012
（2）Kawahara S, Nakashima Y, et al. High prevalence of acetabular retroversion in both affected and unaffected hips after Legg-Calvé-Perthes disease. J Orthop Sci. 17(3): 226-232, 2012
（3）第39回日本股関節学会　（2012.12.7-8　新潟）CTによるDDHのタイプ分けと臼蓋骨片の移動方向の検討 中島康晴他

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記研究実績の概要で述べたように、英文論文として数本の成果を公表した。

今後の研究の推進方策

股関節の動態解析としてimage matching法を採用した。現在、健常人および変形性股関節症例の股関節を透視像として保存し、CTにて得られて像とマッチングさせて、その動態解析を行っている。
また股関節モデルの構築と応力分布解析として、生体構造解析ソフトウエアを用いた健常股関節および病的股関節の応力分布の解析を進めている。

次年度の研究費の使用計画

上記方策にかかる、画像処理費用、ソフト使用料および成果発表の旅費等に研究費を使用する予定である。

研究成果

• [雑誌論文] Femoral anteversion is correlated with acetabular version and coverage in Asian women with anterior and global deficient subgroups of hip dysplasia: a CT study (2012)
  • 著者名/発表者名: Akiyama M, Nakashima Y, Fujii M, Sato T, Yamamoto T, Mawatari T, Motomura G, Matsuda S, Iwamoto Y.
  • 雑誌名: Skeletal Radiol 巻: 41 ページ: 1411-1418
  • 査読あり
• [雑誌論文] High prevalence of acetabular retroversion in both affected and unaffected hips after Legg-Calvé-Perthes disease (2012)
  • 著者名/発表者名: Kawahara S, Nakashima Y, Oketani H, Wada A, Fujii M, Yamamoto T, Mawatari T, Motomura G, Sato T, Akiyama M, Fujii T, Takamura K, Iwamoto Y.
  • 雑誌名: J Orthop Sci 巻: 17 ページ: 226-232
  • DOI: 10.1007/s00776-012-0213-0
  • 査読あり
• [雑誌論文] Acetabular Tilt Correlates with Acetabular Version and Coverage in Hip Dysplasia (2012)
  • 著者名/発表者名: Fujii M, Nakashima Y, Sato T, Akiyama M, Iwamoto Y.
  • 雑誌名: Clin Orthop Relat Res 巻: 470 ページ: 2827-2835
  • DOI: 10.1007/s11999-012-2370-z
  • 査読あり
• [学会発表] CTによるDDHのタイプ分けと臼蓋骨片の移動方向の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中島康晴 秋山美緒 藤井政徳 原大介 平田正伸 山本卓明 本村悟朗 大石正信 濵井 敏 佐藤太志 岩本幸英
  • 学会等名: 日本股関節学会
  • 発表場所: 新潟
  • 年月日: 20121207-20121208
• [学会発表] 思春期DDHの関節内所見と寛骨臼移動術の成績 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中島康晴 秋山美緒 藤井政徳 山本卓明 本村悟朗 大石正信 濵井敏 岩本幸英
  • 学会等名: 日本小児整形外科学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 20121130-20121201
• [学会発表] 変形性股関節症に対する骨盤側手術の限界と挑戦 -寛骨臼移動術- (2012)
  • 著者名/発表者名: 中島康晴 藤井政徳 山本卓明 馬渡太郎 糸川高史 本村悟朗 大石正信 秋山美緒 岩本幸英
  • 学会等名: 日本整形外科学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20120517-20120520