研究課題/領域番号 |
24592271
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
舩元 太郎 宮崎大学, 医学部, その他 (20404452)
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研究分担者 |
帖佐 悦男 宮崎大学, 医学部, 教授 (00236837)
関本 朝久 宮崎大学, 医学部, 講師 (60305000)
荒木 正健 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 准教授 (80271609)
荒木 喜美 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 准教授 (90211705)
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キーワード | Lima1 / EPLIN / 骨代謝 / 骨芽細胞 / EGTC |
研究概要 |
『EGTC』(Database for the Exchangeable Gene Trap Clones)に登録されている『可変型遺伝子トラップ法』によって作製された遺伝子トラップマウスラインから、LIM domain and actin binding 1(Lima1)/Epithelial Protein Lost in Neoplasm(EPLIN)欠損マウスの骨表現型をスクリーニングしたところ、骨量減少、骨強度低下を認め骨代謝に何らかの異常を呈していた。LIMA1/EPLINは細胞接着に関与するタンパク質で、カドヘリン-カテニン複合体とアクチン骨格を結び付けている。しかしながらこれまでにLIMA1/EPLINの骨組織におけるはたらきについて報告例はない。そこで本研究はLima1/EPLIN欠損マウスを用いてLima1/EPLINの骨代謝における機能を詳細に解析することを目的としている。Lima1/EPLIN欠損マウスでは骨強度の低下、マイクロCTにても骨量の低下を認めた。組織検査でも骨梁形成の異常に加えアルカリフォスファターゼ染色で染色性の低下を認め、骨芽細胞機能異常が示唆された。そこで頭蓋骨から骨芽細胞を分離、培養実験を施行した。アリザリンレッド染色を施行するとLima1/EPLIN欠損骨芽細胞では染色が弱く、石灰化能が低下しており、骨芽細胞の分化、機能異常が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
in vitroでの培養骨芽細胞の実験において石灰化能の低下を認め骨芽細胞の機能異常を示唆する結果は得られた。Lima1/EPLINはβカテニンと結合するため細胞骨格系への関与やWnt/βカテニン系のシグナル伝達への関与が予想されるが、これらへの関与を示す実験が不十分と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroで培養骨芽細胞を使用し、Lima1/EPLINが骨芽細胞の接着、細胞骨格への関与の有無を評価する。接着因子は上皮細胞でカドヘリン-カテニン複合体との関係が示されており、骨芽細胞でも同様の関係性がみられるか、また細胞骨格についてはアクチンの分布とLima1/EPLINの分布との関係を蛍光免疫染色法を用いて評価を行う。またBMP2やTGFβなどの刺激を加え、骨芽細胞の骨基質タンパク質産生をリアルタイムPCRやウェスタンブロッティングで評価を行うとともに、シグナル分子の応答を評価する予定である。 in vivoでは大腿骨骨折モデルを作製、骨傷害時の応答の評価を行う。マイクロCTで骨癒合の評価、組織像の鏡検、リアルタイムPCR等を行う予定である。
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