研究課題/領域番号 |
24592273
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
福岡 宗良 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80285204)
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研究分担者 |
水谷 潤 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70326156)
大塚 隆信 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10185316)
小澤 修 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90225417)
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キーワード | 骨芽細胞 / HSP27 / 骨代謝 / リン酸化 / 骨粗鬆症 / VEGF / FGF-2 |
研究概要 |
超高齢化社会を迎えた我が国では、高齢者の生活の質(QOL)を維持し健康寿命を延ばすために運動器疾患の制御が現在重要な課題となっている。しかし、骨代謝に関する研究は今まで十分なされてきたとは言えず、骨粗鬆症、変形性関節症などの疾患制御のためには、その成因及び病態のさらなる解明が急務となっている。骨代謝における生体制御機構の解析という構想の中で、特に機能細胞として骨代謝の中心的役割を果たす骨芽細胞における低分子量熱ショック蛋白質機能の分子機序の解明を主たる目的としている。 従来、ストレス負荷に対して耐性を獲得するための蛋白質と考えられていた熱ショック蛋白質(heat shock protein; 以下HSP)は、現在では、細胞内での蛋白質の合成、フォールディング、移動、再生などを介助する機能を有し、分子シャペロンと呼称されるようになっている。現在、HSPの分子量によって高分子量HSPと分子量が10-30kDaの低分子量HSPとの二つの群に大別されている。しかし、高分子量HSPの分子シャペロンとしての機能はよく知られているが、低分子量HSPの分子シャペロンとしての詳細は未だ明らかとされていない。 昨年度と同様HSP27の分子機序を解明するため、種々の実験を行いコラーゲンに誘導されたHSP27のマップキナーゼ経路二おけるリン酸化をRacが制御していること、血小板におけるアデノシン2リン酸に誘導されるHSP27のリン酸化をThrombopoietinが増幅させることを明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HSP27の骨芽細胞における作用の分子機序の一端を明らかとすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、骨芽細胞においてHSP27を過剰発現させた細胞及びHSP27をノックダウンさせた細胞を用い、種々の骨代謝調節因子に対する細胞の機能におけるHSP27の役割を検討する。 このような事実の積み重ねにより、HSP27の骨代謝における役割を明らかにしていき、骨粗鬆症などの骨代謝疾患に対する新たな治療標的を見出していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の進捗状況はおおむね順調であるが、実験計画全体から翌年度に行うこととなった実験が生じたため。 試薬購入に使用する。
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