研究課題
超高齢化社会を迎えた我が国では、高齢者の生活の質を維持し健康寿命を延ばすために運動器疾患の制御が現在重要な課題となっている。世界保健機構が提唱した“運動器の10年”もすでに終盤を迎えているが、未だ解明されていない課題が山積している。運動器疾患の根幹をなす骨組織は、運動器としてのみならず、免疫系・造血系器官としても重要な役割を担い、体重の約20%をも占める大きな臓器である。しかしながら骨代謝に関する研究は今まで十分なされてきたとは言えず、骨粗鬆症、変形性関節症などの疾患制御のためには、その成因及び病態のさらなる解明が急務となっている。骨代謝における生体制御機構の解析という構想のなかで、特に機能細胞として骨代謝の中心的役割を果たす骨芽細胞における低分子量熱ショック蛋白質機能の分子機序の解明を主たる目的とする。従来、ストレス負荷に対して耐性を獲得するための蛋白質と考えられていた熱ショック蛋白質(heat shock protein; 以下HSP)は、現在では、細胞内での蛋白質の合成、フォールディング、移動、再生などを介助する機能を有し、分子シャペロンと呼称されるようになっている。現在、HSPの分子量によって高分子量HSPと分子量が10-30kDaの低分子量HSPとの二つの群に大別されている。しかし、高分子量HSPの分子シャペロンとしての機能はよく知られているが、低分子量HSPの分子シャペロンとしての詳細は未だ明らかとされていない。今年度は、HSP27が翻訳開始因子であるeIF4E、eIF4G、4E-BP1等と相互作用をし翻訳機構を制御するのか、また、HSP27のリン酸化によってその制御が変わるのかを検討した。その結果、非リン酸化型HSP27がeIF4Eと直接結合し翻訳機構を抑制していること、一方、リン酸化型HSP27はその作用を有さないことを明らかとした。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 謝辞記載あり 12件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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