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2013 年度 実施状況報告書

遺伝子多型解析によるステロイド性大腿骨頭壊死症の予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592274
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

井上 重洋  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10184748)

キーワード特発性大腿骨頭壊死症 / 遺伝子多型 / tailor-made medicine
研究概要

特発性大腿骨頭壊死症(idiopathic osteonecrosis of the femoral head, ION)は大腿骨頭が阻血性壊死に陥り、股関節機能が失われて患者のQOLが障害される難治性疾患である。ステロイド性が過半数を占め、膠原病、喘息、腎炎あるいは臓器移植に対するステロイド投与後に生じることが多く、医原性の側面があるため、病態の解明および実際的な予防法の開発が必要である。われわれはすでに遺伝子多型がION発生リスクに関与していることを明らかにしている。今後さらに、ION発生に関与する遺伝子的多型性を解析するために、まずマイクロアレイを用いて一次スクリーニングを行って候補遺伝子を絞り込む。さらに候補遺伝子の塩基配列を解析してION発生と関連する遺伝子を発見することを目的とする。本研究は現在までに積み重ねられた研究データおよび豊富なDNAサンプルを基盤に、日本人を対象としてステロイド性ION発生と、脂質代謝、凝固線溶系関連遺伝子などの疾患関連遺伝子群や、その産物であるタンパク質の解析からハイリスク患者をスクリーニングし、個人レベルでのステロイド投与法(tailor-made medicine)の開発を確立しようとする試みである。新たな関連遺伝子とION発生リスクとの関連が発見されれば、予防のみならず病態解析にも寄与するものと想定される。昨年までの研究で、われわれの施設で腎移植を施行された患者でステロイド投与直後から単純X線像とMRIで定期的にIONスクリーニングを施行している症例のうち経過観察が2年以上である患者を対象として採取した末梢血をもとに得られたゲノムDNAサンプルを採取した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象は京都府立医科大学で腎移植を施行され、ステロイド投与直後から単純X線像とMRIで定期的にIONスクリーニングを施行している症例のうち経過観察期間が2年以上である患者としている。方法は、IONスクリーニングを継続し、インフォームドコンセントが得られた患者から末梢血10mlを採取しゲノムを抽出した。すでに収集したDNAサンプルおよび新規ION発生患者のDNAサンプルを用いて、1次スクリーニングとしてマイクロアレイを行いION発生群と非発生群での遺伝子発現を解析し、疾患発生に関与すると思われる候補遺伝子の絞り込みを行った。候補遺伝子の絞り込みを行った後、シークエンサーを用いた直接塩基配列決定法から、多型部位の配列確認を行った。われわれのグループが所有しているリアルタイムPCRを用いて、効single nucleotide polymorphism;SNP解析を行った。また、制限酵素認識配列がある部位については、PCR-restriction fragment length polymorphism;PCR-RFLPを施行した。性別、年齢、原疾患、ステロイド投与量など臨床情報に基づいた多変量解析を用いて、ステロイド性IONと関連するSNPsを同定し、IONとの関連性を調査した。
平成25年度はインフォームドコンセントで同意を得られた患者数に限りがあり、サンプル収集にやや難渋している。

今後の研究の推進方策

平成25年度から引き続きDNAサンプル採取および臨床情報調査票の収集を行う。併せて複数の遺伝子とIONとの関連を明らかにするためにlogistic regression modelを用いてodds ratio(OR)と95%信頼区間(95%CI)を計算し、同じモデル内で、互いの影響を調整して解析を行う。交互作用を検討し、additive modelでSynergistic indexを計算する。さらに、ステロイドを使用するすべての患者に応用できるように、簡便かつ短時間でリスク判定が可能になるキットの作成も同時に行う。

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公開日: 2015-05-28  

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