研究課題/領域番号 |
24592275
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
箕田 行秀 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90453133)
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研究分担者 |
橋本 祐介 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10382178)
岩城 啓好 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20381981)
脇谷 滋之 武庫川女子大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70243243)
中村 博亮 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60227931)
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キーワード | 半月板 / パラバイオシス / 修復 |
研究概要 |
今年度はパラバイオシスラットモデルの確立と半月板修復の血流の関与を野生型ラット半月板損傷による修復組織上に標識されたGFP陽性細胞の数で評価、さらに血流由来細胞の軟骨様細胞へのコンバージョンについて調査した。 GFPラットと野生型ラットの側腹部皮膚を縫合するパラバイオシスラットを作成する。2週間経過すると血行路が形成され、互いの血流が交通し、野生型ラットの血流中にGFP陽性の細胞が混在することをフローサイトメトリーで計測したところ、野生型ラットの血液は約2週目からほぼ50%のGFP陽性率となった。パラバイオシスラット作成後4週に半月板前半分を切除する半月板切除モデルを作成した。半月板切除後1,2,4,8,12週で屍殺し、軟骨基質の異染性を評価できるトルイジンブルー染色と抗GFP抗体、抗col II抗体を用いた免疫染色を行った。半月板修復部分の細胞分布を蛍光顕微鏡を用いて評価した。核染色にはDAPIを用いた。顕微鏡強拡像でみられる半月修復部の全細胞数をDAPI陽性数で計測し、そのうちGFP陽性とmergeする細胞を、修復に関与した末梢血由来細胞とし、DAPI陽性数で割って関与の割合を算出した。術後2週からトルイジンブルー染色によって異染性がみられ、経時的に強い異染性が認められた。術後1週間で野生型ラットの修復半月上には約11%のGFP陽性細胞が存在し、術後2,4,8,12週でそれぞれ4.4、2.1、0.7、0.1%にGFP陽性細胞が見られた。パラバイオシスモデルではGFP標識された血流は全血流の半分と解釈できることから、半月修復に末梢血由来の細胞が関与する割合は1、2、4、8、12週でそれぞれ約22、9、4、1.3、0.2%であり、経時的に末梢血由来細胞の関与が減少することが分かった。また12週の組織ではType II collagen陽性+GFP陽性細胞が存在したことから、一部の血流由来細胞に半月板内の軟骨細胞へのコンバージョンする細胞がいることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は安定してパラバイオシスラットモデルの確立ができたこと、組織染色が安定したことで半月板修復の血流の関与を評価でき、半月修復に末梢血由来の細胞が関与する割合は1、2、4、8、12週でそれぞれ約22、9、4、1.3、0.2%であることが分かった。また一部の血流由来細胞の軟骨様細胞へのコンバージョンも示唆されたが、初期応答する細胞群の同定には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度の研究によって、半月板欠損モデルを確立し、血流由来の細胞が修復初期に寄与していることを示した。26年度は初期に損傷部を充填する細胞の由来、あるいは実際に組織を修復する細胞の由来などの細胞動態が明らかにする、つまり半月板修復早期に出現する血液由来細胞あるいは後期に半月板を形成する細胞が何であるかを明らかにするため、GFPと各種細胞表面抗原(CD14, 34, 45, 68,105, 106,163など)やI型コラーゲン、α-SMAを2重染色する。これにより、どの時期に、どの細胞が動員されるかが明らかになる。末梢血中の細胞が重要な役割を果たしているのであれば、末梢血中の重要な細胞を抽出、導入することや、G-CSFなどのCSFの投与により末梢血中の前駆細胞が増加し、組織修復が促進される可能性を探る。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度に予定していた、初期応答する細胞群の同定の実験計画が若干遅れていたため、その実験に行う備品、消耗品を購入していなかったため。 次年度では、初期応答する細胞群の同定の実験計画を遂行するため、各種細胞表面抗原(CD14, 34, 45, 68,105, 106,163など)やI型コラーゲン、α-SMAの抗体購入をはじめ、それらの研究成果の発表、投稿準備のために使用する。
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