研究課題/領域番号 |
24592276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
熊井 司 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40382288)
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研究分担者 |
田中 康仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30316070)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | enthesis / nerve element / enthesis organ / neuropeptide |
研究概要 |
腱・靭帯骨付着部とその周囲器官(enthesis organ)における神経要素の局在を観察した。具体的には家兎の成熟個体を用いて肩、膝、足関節からenthesis organとして標本を採取し、それぞれに対し免疫組織学的手法を用いて神経要素の種類、局在等の観察を行った。 神経要素の観察は、我々が以前ラットに対して行った先行研究(Shaw HM et al J. Anat. 2007)と同様に、PGP9.5, substance P, neurofilamentなどnociceptiveなものと、CGRP, CD56などproprioceptiveなものについて行った。 神経要素は腱・靭帯骨癒着部自体(いわゆるenthesis fibrocartilage)には認められず、enthesis organ内のパラテノンやKagers fat pad(後果部脂肪体)内に存在が確認された。この結果は、先行研究でのラットでの結果とほぼ一致しており、今後の研究課題を遂行するために家兎での腱・靭帯骨付着部損傷モデルを用いることが可能と考えられた。 今後、家兎の幼若個体での観察も進めたうえで、幼若群の結果は腱・靭帯に対する力学的ストレスの継続が短期間である場合として、成熟群の結果は力学的ストレスの継続が長期間に及んだ場合として用いることができるかどうかを評価することとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、本年度に行うもう1つの課題として、腱・靭帯骨付着部損傷モデルの修復過程におけるenthesis organでの神経要素および神経ペプチドの動態観察を行う予定であったが、現時点では未だ遂行されていない。 腱・靭帯骨付着部損傷モデル作成のためにはある一定のまとまった期間が必要となるが、本年度内には作成のための人的、時間的充填が得られなかったことが理由の1つと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に得られた結果をもとに、本年度内に達成することができなかった課題について推進していく予定である。 家兎腱板棘下筋腱の骨付着部損傷モデルまたは家兎膝蓋靭帯脛骨付着部損傷モデル(微小骨穿孔モデル)を作成し、損傷後の自然修復(治癒)過程における神経要素の動態を観察する。 特に損傷モデルにおける神経要素の動態観察は、今後の課題(ヒアルロン酸投与前後での変化を評価)達成のために非常に重要となるため、細心の注意を払って遂行し注意深く観察・評価を行う必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度と同様に、主として研究遂行に必要な物品の購入、評価に必要な検査への外注費などが予定されている。
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