研究課題/領域番号 |
24592280
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
二木 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10276298)
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研究分担者 |
中山 政憲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70528249)
武田 勇樹 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20445307)
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キーワード | インターロイキン32 / Toll様受容体 / 関節リウマチ / 変形性関節症 |
研究概要 |
1)ヒト細胞を用いたIL-32下流シグナルの検索: 昨年度はsiRNAの手技を用いて下流分子の候補について検討し、IL-32はとくにToll like receptror 4下流の一部の分子を介する経路に関与することが考えられた。今年度はさらに具体的な分子の絞り込みと、TNFαやI型インターフェロンをmRNAレベルならびにタンパクレベルで定量することにより検討を重ねた。 2)IL-32の受容体分子の検討:これまでIL-32の受容体は明らかにされていないが、候補とされる分子は指摘されてきた。昨年度はそのいくつかに注目し、その阻害剤やノックダウンによりIL-32の作用が抑制されることを確認した。今年度はさらにこれに追実験を加え、検討を重ねた。 以上1)、2)についてIL32-PAR2 axisとLPS-TRIF axisの関連についてまとめた論文を投稿し採用された(Nakayama M, Niki Y, Sci Rep, 2013)。 3)TLR-TRIF axisが変形性関節症に与える影響の検討: TRIF KO、Myd88 KOマウスを用いてin vivoでの検討を行った。具体的には変形性関節症(OA)modelを作製し、野生型との差について検討した。TRIF、Myd88はOAの発症に関与し、増悪させている可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスを用いた変形性関節症モデルで得られた結果を踏まえて、in vitroでのToll様受容体関連分子との関係を検索したいと考えている。具体的には軟骨細胞の細胞株を用いた三次元培養を行い、そこに力学的ストレスを負荷しvitroでvivoの環境を再現する。また、同時にTRIF、Myd88をknock downさせ、Toll様受容体の関与を検証する予定であり、すでに予備的な実験が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
主な使用計画を順番に述べると、変形性関節症の解析に特化したTRIF KO、Myd88 KOマウスマウスの繁殖、軟骨細胞の三次元培養ならびにTRIF、Myd88のknock down 、その解析のためPCR用のプライマー、試薬購入、タンパクレベルの分析のためウェスタンブロットまたはELISAのための抗体の購入または作製、研究結果を海外学会で発表するための渡航費等を予定している。
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