研究課題
基盤研究(C)
他のプロジェクトで得られたゲノムワイド多形情報を二次利用して、GWASによる一次スクリーニングを行った。GWASのプラットフォームには約90万SNPを収載したGenome-Wide Human SNP Array 6.0(アフィメトリクス社)を使用した。IORRAデータベースからの臨床情報は情報管理担当者による匿名化の上で、DNAサンプルと連結し、大容量記録装置を備えた解析用ワークステーションに格納し、解析プログラムにはフリーソフトウェアであるPLINK v.1.07を用い、Quality control (QC)および遺伝統計解析を行う。QCは次の手順で行った:1.Call rate < 95% のサンプルを除去、2.Call rate < 98% 、non-autosomal、monomorphic, rsID以外のSNPを除去、3.MAF < 0.05のSNPを除去。QC後に薬剤反応性を従属変数とし、説明変数に各SNPと調整因子(投与前の疾患活動性、MTX平均投与量、性)を加えたロジスティック回帰分析を行った。その結果、ゲノムワイド水準に達したSNPはなく、申請段階で基準としたP< 1 X 10-5をクリアしたSNPも存在しなかった。26SNPがP< 1 X 10-4をクリアしたため、バリデーションを行なっている。
2: おおむね順調に進展している
申請時の予定では、調整因子の解析、GWAS、バリデーションを行う予定であり、調整因子の解析およびGWASについては完遂している。現在バリデーションを行なっているが、バリデーションについてはこの年度中に終わることは想定しておらず、行うべき研究のほとんどは実施済み、もしくは実施中であり、おおむね順調に研究が推移していると考えている。
メソトレキサート反応性をターゲットとしたGWASでP< 1 X 10-4をクリアした26SNPについてバリデーションを引き続き行う。同時に追加DNA収集も続ける。バリデーションを通過したSNPについては周辺のゲノム構造解析を行い、有意な関連を認めるハプロタイプブロックを決定する。決定されたハプロタイプブロック内のエクソン領域およびプロモーター領域についてはリシーケンスを行い、より関連の強いSNPや機能的SNPの検索を行う。検索された機能的SNPについては機能解析による評価を行う。用いる手法は得られたSNPの予想される機能によるが、発現解析、ルシフェラーゼアッセイによるプロモーター活性評価、 ゲルシフトアッセイによる転写因子のDNA結合能の検出などについて準備している。
物品費としては主にバリデーションに必要なTaqMan試薬と関連試薬の購入、機能解析に必要な試薬の購入にあてる。その他、各種学会での報告や会議に使用するための旅費での使用を計画している。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件)
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