研究課題/領域番号 |
24592287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
市堰 徹 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30307631)
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研究分担者 |
兼氏 歩 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00303305)
上田 善道 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50271375)
松本 忠美 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90173905)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 大腿骨頭壊死 / angiogenesis / 骨髄由来間葉系組織幹細胞 / aquaporin 1 / osteogenesis |
研究概要 |
ステロイド誘発性大腿骨壊死に対するangiogenesis- osteogenesis couplingに着目した新たな予防法の確立を目指し、骨髄由来間葉系組織幹細胞 (BM-MSC)の血管保護・傷害血管修復機能と細胞膜水分子チャネル aquaporin (AQP)1の血管内皮と骨芽細胞の増殖、分化、細胞移動促進機能に着目し、AQP1遺伝子発現修飾 BM-MSCの全身投与による大腿骨頭壊死予防法の確立とその機序の分子レベルでの検証を目指し研究を進め、本年度は以下の実績を得た:1.ラット大腿骨骨頭壊死モデルにおいて、酸化ストレス刺激直後からの HIF-1αの産生亢進とその持続が骨壊死に関わることを明らかにした。特に酸化誘発後3時間で非常に強いHIF‐1αの発現亢進が認められ、骨壊死の発生に導く骨内での虚血性事象が非常に早期に起こっていることが確認できた。また、ストレス刺激によって発現し、生体防御機構に中心的な役割を果たすと考えられているHeat shock protein(HSP)にも注目したところ、発現亢進を認めた。このことから骨内の状態の回復にHSPが何らかの関与を示していることを確認した。;2.ラットならびにウサギ骨髄から BM-MSCの分離、ex vivo extensionと MSCの characterizationを行った;3.ラットおよびウサギ骨髄から BM-EPCの分離、ex vivo extensionと characterization;4.BM-MSCと BM-EPCへの GFP遺伝子の導入
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)単回酸化ストレス刺激によるラット大腿骨骨頭壊死モデルにおいて、酸化ストレス刺激直後からの HIF-1αの産生亢進とその持続が骨壊死に関わること、Western blot法ならびに免疫染色を用い明らかにした(論文投稿中)。 2)ラットならびにウサギ骨髄から穿刺液のPercollを用いた密度勾配遠心法による分離; R-MSCGM Bullet Kit (Takara)内 25cm2フラスコによる接着細胞の ex vivo extension; 骨芽細胞用及び脂肪細胞用専用分化培地 R-MSC-Osteogenic differentiation及びR-MSC-Adipogenic differentiation Bullet kit (Takara)内培養による骨芽細胞および脂肪細胞など多分化能の検証;Flow cytometryによる細胞表面マーカー (D29, 44, 105, CD34, 45) 検索による得られた BM-MSCの characterizationを行った。 3)ラットおよびウサギ骨髄から BM-EPCの分離とex vivo extensionをEGM-2MV添加 endothelial cell-basal medium (Clonectics)内培養により行った;得られたBM-EPC性格を抗 CD31抗体により確認した。 4)BM-MSCと BM-EPCへpCI-neo-GFP gene plasmid (Promega)を用いリポフェクション法による遺伝子導入とG-418セレクションにより恒常的 GFP発現細胞コロニーを得た。
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今後の研究の推進方策 |
ラットならびにウサギ大腿骨壊死モデルと H24年度の研究で得られた BM-MSC, BM-EPCならびにMurine C3H10T1/2を用い、大腿骨壊死予防のための有効な投与法を決定する。 1)細胞投与時期の検討:ステロイドあるいは BSO投与 ①1日前、②6時間後、③2日後、④5日後群(各群n=10)の4群 2)壊死率の計測:ステロイドあるいは BSO投与2週間後の大腿骨の10%緩衝ホルマリン固定・パラフィン包埋切片 3)AQP1強制発現 BM-MSC, Murine C3H10T1/2ならびに BM-EPC細胞の調整
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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