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2014 年度 実績報告書

光遺伝学的アプローチによる疼痛受容機構の解明および疼痛制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592289
研究機関産業医科大学

研究代表者

大西 英生  産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20279342)

研究分担者 上田 陽一  産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード疼痛 / c-fos遺伝子 / トランスジェニック動物 / 光遺伝学 / 蛍光タンパク
研究実績の概要

最終年度の本年度(平成26年度)は、c-fos遺伝子にチャネルロドプシン2(ChR2)遺伝子を挿入した融合遺伝子を用いたトランスジェニックラットの作出を昨年度より継続して行っている。このトランスジェニックラットでは、活性化した神経活動の指標として汎用されているc-fos遺伝子の発現とともにChR2が発現することを期待した。
c-fos-ChR2-eGFP融合遺伝子が10コピー挿入されたファウンダーを雄1匹得ることができた。このファウンダーから複数のF1個体を得ることができた。ファウンダーにも軽度の皮膚症状が見られたが、F1個体ではヘテロ体にもかかわらず成長するにつれて原因不明の皮膚症状(脱毛など)が頸部~体幹部に強く見られた。皮膚生検を行い、組織像を確認したところ、皮膚の構造自体には異常はなく、角質の肥厚と毛包の一部に角化の亢進が見られた。同一個体から生まれた融合遺伝子陰性の個体は正常に発育することから、挿入された融合遺伝子が何らかの影響を及ぼしていると考えられた。
F1個体を用いて、浸透圧負荷を行ったところ、脳内の浸透圧感受性部位のニューロン群の一部にc-fos-ChR2-eGFP融合遺伝子の発現を示すeGFP蛍光の発現が観察されたが、個体差(ばらつき)が大きかった。現在、急性疼痛ストレス負荷後の視床下部および脊髄でのChR2-eGFP発現について検討中である。
今後、急性・慢性疼痛刺激後に活性化、つまりc-fos遺伝子発現とともにChR2が発現した脊髄および視床下部のニューロンに青色光を照射することにより、そのニューロンの神経活動を光操作することを予定している。そのための照射装置として、少なくともin vitroの状態(例えば脊髄スライス標本)ではすでにセットアップを終えている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (8件)

  • [学会発表] 急性疼痛モデルラットにおける下垂体後葉系および視床下部-脊髄系のオキシトシンの動態とその役割の検討2015

    • 著者名/発表者名
      松浦 孝紀、元嶋 尉士、齋藤 玲子、吉村 充弘、大久保 淳一、丸山 崇、橋本 弘史、石倉 透、鈴木 仁士、川崎 展、大西 英生、尾仲 達史、酒井 昭典、上田 陽一
    • 学会等名
      第10回環境生理学プレコングレス
    • 発表場所
      ホテル北野プラザ六甲荘(神戸市)
    • 年月日
      2015-03-20
  • [学会発表] The expression of the oxytocin-monomeric red fluorescent protein 1 fusion gene in the hypothalamus and spinal cord after acute nociceptive stimulation in transgenic rats2014

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, T. Kawasaki, M. Motojima, Y. Suzuki, H. Yoshimura, M. Ohkubo, J. Maruyama, T. Hashimoto, H. Ohnishi, H. Sakai, A. Ueta, Y.
    • 学会等名
      Neuroscience 2014
    • 発表場所
      Washington DC, USA
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-19
  • [学会発表] 慢性関節炎モデルラットにおけるオキシトシンの発現動態ならびにその役割について2014

    • 著者名/発表者名
      松浦孝紀、吉村充弘、大久保淳一、元嶋尉士、丸山 崇、橋本弘史、石倉 透、 鈴木仁士、川崎 展、大西英生、酒井昭典、上田陽一
    • 学会等名
      第41回日本神経内分泌学会学術集会
    • 発表場所
      都道府県会館(東京都千代田区)
    • 年月日
      2014-10-31 – 2014-11-02
  • [学会発表] 消化管ホルモン末梢投与後の視床下部オキシトシンニューロンの活性化~オキシトシン-mRFP1トランスジェニックラットを用いた検討~2014

    • 著者名/発表者名
      元嶋 尉士、松浦 孝紀、齋藤 玲子、大久保 淳一、吉村 充弘、橋本 弘史、鈴木 仁士、川崎 展、大西 英生、酒井 昭典、上田 陽一
    • 学会等名
      第65回西日本生理学会
    • 発表場所
      琉球大学研究者交流施設50周年記念館(沖縄県中頭郡)
    • 年月日
      2014-10-23 – 2014-10-24
  • [学会発表] Fluorescent visualization of the hypothalamic oxytocin neurons activated by nociceptive stress and gastrointestinal hormones in rats expressing oxytocin-monomeric red fluorescent protein 1 fusion transgene2014

    • 著者名/発表者名
      Motojima, Y. Matsuura, T. Yoshimura, M. Ohkubo, J. Hashimoto, H. Kawasaki, M. Onishi, H. Sakai, A. & Ueta, Y.
    • 学会等名
      8th International Congress of Neuroendocrinology 2014
    • 発表場所
      Sydney, Australia
    • 年月日
      2014-08-17 – 2014-08-20
  • [学会発表] ラットアジュバント関節炎におけるオキシトシンの発現動態ならびにその役割について2014

    • 著者名/発表者名
      松浦孝紀、吉村充弘、丸山崇、橋本弘史、川崎展、大西英生、酒井昭典、上田陽一
    • 学会等名
      第24回日本病態生理学会大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場(北九州市)
    • 年月日
      2014-08-08 – 2014-08-10
  • [学会発表] 慢性関節炎モデルラットにおけるオキシトシンの発現動態ならびにその役割について2014

    • 著者名/発表者名
      松浦 孝紀、吉村 充弘、大久保 淳一、元嶋 尉士、丸山 崇、橋本 弘史、石倉 透、鈴木 仁士、川崎 展、大西 英生、酒井 昭典、上田 陽一
    • 学会等名
      第32回内分泌代謝学サマーセミナー
    • 発表場所
      富士レークホテル(山梨県南都留郡)
    • 年月日
      2014-07-10 – 2014-07-12
  • [学会発表] 関節炎における視床下部・脊髄でのオキシトシンの役割についての検討2014

    • 著者名/発表者名
      松浦 孝紀、吉村 充弘、大久保 淳一、丸山 崇、橋本 弘史、石倉 透、川崎 展、大西 英生、上田 陽一
    • 学会等名
      第87回日本内分泌学会学術総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡市)
    • 年月日
      2014-04-24 – 2014-04-26

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公開日: 2016-06-01  

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