研究課題
基盤研究(C)
整形外科における骨折治療および脚延長術の臨床経過から、メカニカルストレスと骨形成・骨リモデリングが関連していることは経験的に知られているが、その詳細なメカニズムは明らかにされていない。我々は、骨代謝の中でも破骨細胞骨吸収の分子メカニズムを解析してきた。最近、骨細胞がRANKL の発現を介して破骨細胞形成を促進し、骨を作りかえる指令を出していることが明らかにされた。本研究では、メカニカルストレス(力学的刺激)の受容から細胞内シグナルへの変換を担う分子であるp130Cas に焦点をあて、骨細胞へのメカニカルストレスから、破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成のバランスがどのように制御されているかを検討する。in vivo での解析を行うために、骨細胞特異的p130Cas ノックアウトマウスを作製する。p130Cas の全身性ノックアウトマウスは胎性致死となるため、p130Cas flox マウスと骨細胞特異的にCre を発現するDmp1-Cre マウスを交配させることにより、骨細胞特異的にp130Cas を欠損させたマウスを作製を試みたところ、メンデルの法則に従ってp130Cas コンディショナルKOマウスが誕生し、生育することを確認した。この骨細胞特異的p130Cas 欠損マウスを飼育し、レントゲン撮影、CT スキャンにて骨量を評価したところ、有意に骨量が減少していることがわかってきた。現在、その骨組織の標本を作製し、骨形態計測などを行い、骨組織におけるは骨量の変化、骨形成パラメーター、骨吸収パラメーターなどを含めその表現型を解析中である。
2: おおむね順調に進展している
骨細胞特異的にp130Cas を欠損させたマウスを作製を試みたところ、メンデルの法則に従ってp130Cas コンディショナルKOマウスが誕生し、生育することを確認できたことで、今後の解析が可能となった。
この骨細胞特異的p130Cas 欠損マウスを飼育し、レントゲン撮影、CT スキャンにて骨量を評価したところ、有意に骨量が減少していることがわかってきた。現在、その骨組織の標本を作製し、骨形態計測などを行い、骨組織におけるは骨量の変化、骨形成パラメーター、骨吸収パラメーターなどを含めその表現型を解析中である。
骨細胞特異的p130Casノックアウトマウスの産生、維持が必要である。また、CTスキャンや骨形態計測などの外部委託も必要である。マウス骨からの組織標本作製、組織染色、RNA採取、DNAマイクロアレイ解析などを行うための消耗品も必要である。
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