研究課題/領域番号 |
24592291
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
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研究分担者 |
木村 哲 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00312702)
西川 俊昭 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50156048)
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キーワード | 幼若脳 / 麻酔薬毒性 / セボフルラン / デクスメデトミジン / エリスロポイエチン |
研究概要 |
幼若脳に対する麻酔薬暴露により、成長後の脳の変性や学習機能障害が起きることが示唆されているが、詳細な原因や防止策は不明である。このため、平成24年度では、生後7日のラットにセボフルラン暴露でアポトーシスの程度や認知機能に悪影響を及ぼすことが判明した。25年度ではその影響が、デクスメデトミジンやエリスロポイエチン投与により減弱するか検討した。 生後7日のラットにデクスメデトミジン6.6、12.5、25、50、100μg/kgあるいはエリスロポイエチン60、120,600Uを腹腔内投与した後に空気(酸素21%)下に3%セボフルラン 4時間の暴露を行った。3週後にモーリス水迷路の学習を行い、5週後に恐怖条件付けテストを行い、6週後に再度モーリス水迷路と恐怖条件付けテスト(竦み時間)を用いて記憶の保持を観察した。 デクスメデトミジン50、100μg/kg投与したラットでは、セボフルラン暴露中に死亡してしまったが、6.6μg/kg投与では、デクスメデトミジン投与なしのラットに比較してセボフルラン暴露による空間認知機能への悪影響を減弱した。エリスロポイエチン投与ではその改善効果はみられなかった。 デクスメデトミジンの少量投与では、新生児ラットの吸入麻酔薬暴露による認知機能への悪影響を減弱することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
行動学的評価は行ったが組織学的評価を現在行っている最中のため、当初の予定より若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、組織学手評価を行い、実際の有効であった濃度において、電気生理学的に改善がみられているのか検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
組織学的評価を行うためのソフトウエアの購入が年度末にずれ込み予想外に高かったため。 次年度にくり越して、経費削減を努力する。
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