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2013 年度 実施状況報告書

意識および記憶のモニタリング方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592293
研究機関金沢大学

研究代表者

山本 健  金沢大学, 医学系, 教授 (90019638)

研究分担者 坪川 恒久  金沢大学, 医学系, 准教授 (80283109)
キーワード意識 / 記憶 / fMRI / 脳磁図
研究概要

前年度に引き続き,睡眠時の脳活動の測定を実施した.睡眠時の測定はさらに6名のボランティアで実施した.今回は,脳磁図だけでなくfMRI内でも睡眠時の測定をおこなったが,fMRIでは睡眠に伴う有意な変化としては,後頭部の活性の低下が主な所見であった,睡眠のレベルは同時に計測した脳波から判断した.睡眠のI期の時点で意識下閉眼時には強い活性を示す後頭部の活性が減弱し,変わって前頭葉の広範囲で活動性が高まるのを確認できたが,素ミンのI,II期に特異的な部位は検出できなかった.脳磁図に関しては,詳細な分析を行った結果,睡眠I期での前頭部のβ波の増加,睡眠II期の全周波数帯域の前方への移動(Anteriorization)を確認することができた.睡眠III,IV期に到達した被検者は2名だけだった.この被検者では広く前頭葉からθ波,δ波が発生するのが確認された.これらの所見からこれまでの脳波による観察よりも詳細に睡眠時の脳活動の部位別の変化を観察することができた.これらの結果から,前頭部だけで脳の活動を観察する現在のモニターよりも,後頭部と前頭部の活動を比較するようなシステムが望ましいと考えられた.つづいて,記憶のモニタリング方法を確立するために,脳磁図およびfMRI観察下にワードの記憶および想起を実施して,その間の脳活動を調べた.仮説としては,記憶および想起じに海馬を中心としたθ波の活動を予想していたが,fMRI上は海馬とブローカ中枢の特的な活性化をみとめたが,脳磁図上でその活性に対する特異的な周波数帯域の変化を検出することができなかった.タスクの負荷を上げる必要があると考えられた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒトボランティアを用いて麻酔下に脳機能を測定する研究については,書類の不備や準備の不足のため倫理委員会の許可が得られなかった.まだ,記憶のモニタリングについては,脳磁図では記憶および想起に特異的な脳活動を観察することができなかった.Taskの負荷が不足していて(簡単すぎた),十分な脳活動が得られなかったためと考えられる.

今後の研究の推進方策

26年度は,研究代表者が定年退職し,研究分担者が他施設に転出することになったため,研究をコンパクトに変更する必要がある.研究分担者の施設にて倫理委員会にヒトボランティアを用いた研究の実験計画書を提出し,許可を得る予定である.これまでの過程で,記憶のモニターに関する研究は有望な結果が期待できないため,意識の評価方法を中心に研究を進める.具体的には,脳磁図によるモニター下にヒトボランティアをプロポフォールで麻酔し,脳活動の変化を観察する.麻酔時の特徴である脳波の前方移動を検出することを第一の目標とする.意識そのものの評価としては自覚的,他覚的な意識確認方法を併用し,それらとプロポフォール濃度,脳活動の変化の相関を検討し,将来的に麻酔時の意識モニターとして活用できる変化を特定する.

次年度の研究費の使用計画

研究成果が思ったように得られず,成果発表のための旅費が発生しなかったことと,fMRIおよび脳磁図のオペレーターおよび被検者がボランティアとして参加したため,その分の人件費が発生しなかった.
今年度は研究代表者が定年退職し,研究分担者が他施設に移動するため研究実施時に旅費が発生する.その旅費として昨年度に使用しなかった金額を用いる.必要に応じて新たな研究分担者を申請する.今年度に関してもオペレーターの人件費などは発生しない.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] functional MRIと脳磁図による痛みの定量化2013

    • 著者名/発表者名
      坪川恒久,藤井優佳,山本 健
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会 第47回大会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ
    • 年月日
      20130713-20130715

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公開日: 2015-05-28  

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