研究課題/領域番号 |
24592300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大下 修造 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60144945)
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研究分担者 |
田中 克哉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263841)
堤 保夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 吸入麻酔薬 / イソフルラン / GLP-1 / 心保護作用 / 虚血再灌流障害 |
研究概要 |
実験1. マウスの摘出心を酵素法にて潅流、得られた遊離心室筋細胞をディッシュに接着させ、特殊チャンバーを用い、吸入麻酔薬イソフルランにてAPC刺激を加えた後、2時間低酸素状況 (95%N2, 5%CO2) に暴露した。トリパンブルー染色し細胞数を数え、生きた細胞の割合を計算し、対照群と比較検討した結果、細胞の生存率はイソフルランによって53%から71%に上昇することが分かった。また、GLP-1群においても生存率が75%に上昇した。さらに、APC刺激前にGLP-1受容体拮抗剤であるExendinにて細胞をインキュベートし、同様の実験を行なった場合、イソフルランの心筋細胞保護作用は棄却された。このことより、GLP-1のAPC誘導性心筋細胞保護作用に及ぼす影響が明らかになった。 実験2. マウスを人工呼吸下に開胸、血行動態を測定しながら、イソフルランを用いAPC刺激を30分行った。その後、心臓冠動脈左前下行枝を30分間閉塞し、2時間の再潅流を行う。再び冠動脈を閉塞、Evans Blueを注入し心臓を取り出し、心臓をスライスし、TTCにて再染色を行い心筋梗塞サイズを測定した。GLP-1、イソフルランは共に心筋梗塞サイズを減少させた。また、GLP-1受容体拮抗剤Exendinを前投与することで、GLP-1およびAPCによる心筋保護作用が棄却されることを示した。このことより、APCによる心筋保護作用がGLP-1を介して発現することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、実験1および実験2は、平成25年度半ばで終了予定であったが、研究協力者による実験の進捗がはかどることで、計画以上に進展することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、実験3に取り掛かっており、この実験に集中することで、当初の実験計画よりスムーズに実験の施行が可能になると思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究がスムースに進むことによって、研究計画に比較して、実施の進捗具合が早くなっている。また、このことによって本年度使用した研究費と所要額との間に少額の誤差が生じることとなっている。これら少額の誤差は次年度の実験計画を遂行する上で次年度の研究費と共に使用し、研究費自体が過不足する可能性はすくない。次年度への繰越額は抗体に使用する予定である。
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