研究課題/領域番号 |
24592300
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大下 修造 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 非常勤講師 (60144945)
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研究分担者 |
田中 克哉 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30263841)
堤 保夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (90523499)
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キーワード | 吸入麻酔薬 / イソフルラン / GLP-1 / 心保護作用 / 虚血再灌流障害 |
研究概要 |
前年度までの研究に加えグルカゴン様ペプチド―1(GLP-1)刺激剤であるExendin-4を用いて実験1.実験2.を行い。さらに、実験3.を進めていった。 実験1.マウスの摘出心を酵素法にて潅流、得られた遊離心室筋細胞をディッシュに接着させ、特殊チャンバーを用い、Exendin-4によるGLP-1刺激、吸入麻酔薬イソフルランにてAPC刺激を加えた後(片方若しくは両方を加えた)、2時間低酸素状況に暴露した。トリパンブルー染色し細胞数を数え、生きた細胞の割合を計算し、対照群と比較検討した結果、GLP-1刺激によっても生存率はイソフルラン同様上昇することが分かった。 実験2.マウスを人工呼吸下に開胸、血行動態を測定しながら、イソフルランを用いAPC刺激を30分行った。その後、心臓冠動脈左前下行枝を30分間閉塞し、2時間の再潅流を行う。再び冠動脈を閉塞、Evans Blueを注入し心臓を取り出し、心臓をスライスし、TTCにて再染色を行い心筋梗塞サイズを測定した。Exendin-4、イソフルランは共に心筋梗塞サイズを減少させた。 実験3.実験2. における各群の心臓を虚血-再灌流前に取りだし、ホモジナイズし、APC作用のメディエイターのタンパクが増加しているかどうかをイムノブロッティング法にて検討している。さらに、GLP-1受容体抗体とメディエイターの抗体とを共に蛍光抗体反応させ、共焦点顕微鏡を使用しタンパクの局在を同定している。さらに、ミトコンドリア膨化アッセイによりCa2+依存性ミトコンドリア膨化がGLP-1によりどのように変化するかを調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画書通りに進捗しており、おおむね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
実験計画書に従ってこのまま実験3.を進めていく予定である。これらによって本研究期間内に、GLP-1のAPCに及ぼす影響が明らかとなる。また、心筋保護作用経路におけるGLP-1の果たす役割が解明される。
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