研究課題/領域番号 |
24592302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
杉田 道子 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70305019)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 硫化水素 / ストレス / インスリン抵抗性 / 血管内皮 |
研究概要 |
第3のガスメディエーターとして多様な生理活性を有するH2S(硫化水素)の内皮由来血管弛緩作用、抗炎症、抗サイトカイン作用に注目が集まっている。ストレス(熱傷、敗血症)モデル動物におけるアウトカムを改善したとする報告、糖尿病、インスリン抵抗性における関与が報告されている。一方血管内皮障害はインスリン抵抗性における重要臓器障害の主要因である。本研究ではH2Sがストレス惹起インスリン抵抗性に伴う血管内皮障害に対し治療へとつながる可能性の有無について評価し、そのメカニズムを明らかにすることである。 平成24年度においてはストレス惹起インスリン抵抗性モデル動物へのH2S投与による血管内皮細胞内シグナルトランスダクションの変化について検討した。ストレス(侵襲)モデルとして熱傷ラットを用いた。雄性SDラットをペントバルビタールで麻酔し、III度熱傷を体表面積55%に行った 。熱傷受傷直後よりL-システイン1 mg/kg BWを経口摂取させた。 3日目に屠殺し、上下行大動脈を採取、一部は血管内皮細胞を単離、蛋白を抽出し、特異的抗体(Akt,p-Akt,Ras およびCSE)を用いたWestern blot法にて蛋白を定量した。また一部は摘出後速やかに凍結切片を作成しスーパーオキサイド産生、Nitrotyrosineの発現を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
熱傷ストレスラットにおけるH2S投与による効果は死亡率の低下により確認できている。western blotについては一部抗体がワークしていない。条件、試薬を変えて試してみる必要があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度については熱傷モデル動物へのH2S投与による血管内皮細胞機能への影響を検討していく予定である。H2S投与した熱傷モデルラットから摘出した下行大動脈をクレブス・リンゲル液に保存し、実体顕微鏡下に付着組織を剥離除去、リング標本を作成する。オーガンバス中にリング標本を吊るし、一端を圧トランスデューサーに接続する。フェニレフリンの用量依存反応曲線、その後にアセチルコリンによる内皮依存性血管弛緩反応用量依存曲線を記録し、解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物購入、試薬、オーガンバス装置の追加購入などに使用する予定である。
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