研究課題/領域番号 |
24592303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
内納 智子 大分大学, 医学部, 医員 (90404368)
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研究分担者 |
萩原 聡 大分大学, 医学部, 講師 (50527661)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 |
研究概要 |
平成24年度ではラット脊髄損傷モデルにおけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果を検討した。まず脊髄損傷急性期と慢性期におけるETS-GSの効果を検討するため、3日間筋注(10mg/kg)するプロトコールと4週間経口摂取(ETS-GS 5%含有の餌)させるプロトコールを立てた。運動機能の改善は両群ともに認められており、投与経路はどちらも有効であったことが示された。次に運動機能の改善についてBasso-Beattie-Bresnahanスコアを用いて評価を行ったところ、3日間プロトコールにおいて3日目に有意な運動機能の改善効果を認めた。同様に4週間プロトコールにおいても3日後から運動機能改善効果が認められた。脊髄損傷の症状進展に炎症、酸化ストレスが関与することが知られているので、炎症のマーカーとしてmyeloperoxidase (MPO)、酸化ストレスのマーカーとしてmalondialdehyde (MDA)を測定した。またアポトーシスも脊髄損傷の進展を引き起こすことが知られているので、caspase-3の測定および脊髄損傷部の組織をTUNEL法で染色した。3日間プロトコールにおいて脊髄損傷によるMPO, MDAの上昇はETS-GS投与により有意に抑制されていた。またcaspase-3においても同様の結果が得られ、TUNEL染色ではETS-GS投与によりアポトーシス細胞の減少が認められた。以上の結果より炎症、酸化ストレス、アポトーシスが抑制されたことが、ETS-GSの運動機能改善効果のメカニズムの一部と考えられた。最後に4週間後の脊髄組織をHE染色、KB染色したところ、脊髄損傷モデルでは空洞化が目立ち、神経組織の欠損が認められたが、ETS-GS投与により空洞化は縮小されており、運動機能の改善と一致する所見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット脊髄損傷モデルにおけるビタミンE誘導体ETS-GSの有効性は確認できており、そのメカニズムとして抗炎症、抗酸化、抗アポトーシス効果があることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
ビタミンE誘導体ETS-GSの脊髄損傷における効果のメカニズムをより詳細に解明するために、Bio-Plexを用いた脊髄損傷組織における各種リン酸化タンパク質の測定やマイクロアレイを用いることにより、シグナル伝達経路の同定を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験動物、Bio-Plex測定費用、マイクロアレイ測定費用などに使用する予定である。
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