我々が新規に合成したビタミンEにタウリンとグルタチオンを結合させたETS-GSというビタミンE誘導体が脊髄損傷の二次的損傷を軽減し、神経学的機能の改善に有効であるのではないかと仮定し、ラットの脊髄損傷モデルを用いて検証を行った。ETS-GS投与により術後3日目より有意な運動機能の改善が認められ、摘出した脊髄から抽出したタンパクを分析したところ、myeloperoxidase、malondialdehyde、caspase-3は減少していた。組織学的にも損傷部位の縮小、アポトーシス細胞減少が認められた。ETS-GSは抗炎症、抗酸化、抗アポトーシス作用により神経保護作用を持つことが示唆された。
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