研究課題/領域番号 |
24592308
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
伊奈川 岳 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (60336584)
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研究分担者 |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00256075)
高橋 琢哉 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20423824)
宮崎 智之 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30580724)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 吸入麻酔薬 / 記憶学習 / 海馬 / 忌避刺激 / 電気生理学 / 神経可塑性 |
研究概要 |
平成24年度は、プロポフォール麻酔モデルラットを作成し、文脈的記憶学習への影響を検討するために、抑制性回避学習試験(inhibitory avoidance test: IA)を行った。まず、生後8-10週齢のWistar-Imamichiラットを用い、プロポフォールの投与条件を検討した。2%イソフルレン麻酔下で、腹腔内にプロポフォールを、体重当たり、100mg/kg - 450mg/kgの用量で、一括もしくは分割投与し、麻酔持続時間として正向反射回復までの時間を測定した。先に行ったイソフルレン麻酔モデルに相当する用量として適当であると考えられた、150mg/kg および 150mg/kg + 30分後に75mg/kg + 60分後に75mg/kg、投与時の血行動態評価のために、大腿動脈カニュレーションを行って、経時的に動脈圧測定をおこない、併せて動脈血ガス分析をおこなった。これらの投与量では、軽度の血圧および酸素化の低下、血中二酸化炭素濃度の上昇を認めたが、著しい影響を見られなかった。これらの投与群で、IA testを行い、想起までの潜時(retention latency)を測定したが、投与1日後および7日後において、対照群と変わりなかった。今回のプロポフォール投与モデルでは、イソフルレン投与モデルとは異なり、文脈的記憶学習は障害されない可能性が示唆された。現在、海馬組織を用いたグルタミン酸受容体に対するウェスタンブロッティングを行っており、イソフルレン投与モデルと比較検討中である。これらの解析が済市大、論文として英文査読誌に投稿予定である。なお、本研究の一部は、第60回日本麻酔科学会総会および、欧州麻酔科学会2013年度総会にて発表の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の計画にあげた、プロポフォール麻酔モデルの作成について、投与用量の検討を行い、適当な投与用量を設定することができた。大腿動脈カテーテル留置による、循環・呼吸動態モニタリングの測定、検体数がまだ不十分であるが検討済みである。抑制性回避学習についても実験がほぼ終わっており、先行するイソフルレン麻酔モデルとの対比検討中である。 このように、平成24年度の実験計画についてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、計画にあげた通り、イソフルレン麻酔モデルと対比させて、海馬組織のグルタミン酸受容体の発現レベルとリン酸化レベルの変化、それらの調節蛋白の変化を、全組織および、シナプトソーム分画においてウェスタンブロッティングを用いて検討する予定である。 また、多点皿電極を用いた背側海馬における細胞外集合電位の長期増強(LTP)の測定も行い、海馬CA1領域における神経可塑性への影響を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、主としてウェスタンブロッティングによる生化学的な検討と、電気生理学的な検討を主に行うため、動物および抗体と試薬類、また消耗品である多点皿電極の購入のために研究費を用いる。また、効率よく本実験を遂行するための研究助手の雇用も継続するための費用も計上する。また、日本麻酔科学会および、欧州麻酔科学会と米国麻酔科学会において、成果の一部を発表予定であるため、これらにかかる費用も計上する。また、英文査読誌への発表のため、英文校正費用ならびに投稿料なども計上する。平成24年度の予算のうち¥9,327は、試薬を効率的に使うことにより当初の見積もり経費金額より安価に済ませられたためである。平成25年度の抗体購入などの経費に充当する。
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