研究課題/領域番号 |
24592314
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中島 崇行 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (30333644)
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研究分担者 |
竹中 重雄 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (10280067)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 虚血耐性 / 脳虚血 / 海馬 / ラット / プロテオーム解析 |
研究概要 |
虚血耐性は、傷害を及ぼさない程度の弱い虚血負荷を前もって受けた脳が、その後再び強い虚血を受けた場合、その強い虚血に対して抵抗性を示すという現象である。本研究では、海馬が虚血耐性を獲得するための分子基盤を明らかにすることを目的とする。本研究で計画する主な項目は、①「ラットを用いて、弱い虚血負荷後の海馬で発現量が変化するタンパク質をプロテオーム解析法により同定すること」、②「胎子海馬初代培養細胞への遺伝子導入により同定したタンパク質の発現量変化が虚血に対して神経保護効果を発揮するかを検討すること」である。本研究は、虚血性神経細胞死予防のための新たな創薬標的の解明に向けた基礎的研究である。 本申請者は、これまで、神経細胞に傷害をおよぼさない3分虚血負荷ラットと偽手術処置ラットから海馬組織を経時的に採取し、組織を粉砕後、核分画、細胞膜分画、オルガネラ分画、細胞質分画を得た。 本来、核分画、細胞膜分画、オルガネラ分画、細胞質分画のそれぞれの分画溶液をサンプルとして用い、これらのサンプルに含まれるタンパク質を2次元電気泳動によって分離して、3分虚血負荷ラットと偽手術ラット間で発現量の異なるタンパク質をプロテオーム解析によって同定するところであるが、現在、細胞質分画および核分画の解析までしか進んでいない。細胞質分画においては、いくつかの発現量の異なるタンパク質スポットを得ている。これらのスポットに含まれるタンパク質の正体を今後検索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで、神経細胞に傷害をおよぼさない3分虚血負荷ラットと偽手術処置ラットから海馬組織を経時的に採取し、組織を粉砕後、核分画、細胞膜分画、オルガネラ分画、細胞質分画を得た。本来、核分画、細胞膜分画、オルガネラ分画、細胞質分画のそれぞれの分画溶液をサンプルとして用い、これらのサンプルに含まれるタンパク質を2次元電気泳動によって分離して、3分虚血負荷ラットと偽手術ラット間で発現量の異なるタンパク質をプロテオーム解析によって同定するところであるが、現在、細胞質分画および核分画の解析までしか進んでいない。進捗状況が遅れている最大の理由は、2次元電気泳動によるタンパク質スポットの分離が難しいという点にある。特に核分画のサンプル中に含まれるタンパク質の分離に手間取っており、安定した結果が得られていない。
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今後の研究の推進方策 |
まだ解析が進んでいない、核分画、細胞膜分画、オルガネラ分画中に含まれるタンパク質の解析を進める。すなわち、二次元電気泳動にて、これらの分画中に含まれるタンパク質を分離して、3分虚血負荷ラットと偽手術ラット間で発現量の異なるタンパク質スポットを選択し、そのスポット中に含まれるタンパク質の正体をプロテオーム解析によって同定する。このようにして同定したタンパク質の海馬組織での虚血負荷後のより詳細な発現量の変化や局在パターンの変化をウェスタンブロットおよび免疫染色で検索する。さらに、25年度は、3分虚血をした海馬組織において、発現量が増加するタンパク質に対して、そのタンパク質の虚血における機能的意義について遺伝子機能解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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